第48章 嫌疑と再会
「…ん……んん……」
舌を絡ませる濃厚な口付けに身体の芯がトロトロに溶けてしまいそうになるが、リヴァイはこれから会議なのだ。こんな事をしていていいはずがない……と思った所で唇は離れた。
「ったく…我慢させられた分は今度きっちり支払ってもらうからな…」
そう言うと、リヴァイはブーツを履き直して部屋から出て行ってしまった。
「………」
我慢をさせているのはクレアのせいではない。なのにどうしてそのツケを自分が支払わなければならないのか疑問に思ったが、リヴァイは出て行ってしまいもうどうする事もできなかったため、クレアは急いでシャワーの支度をすると、浴室へと入っていった。
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そして数日後、何度も同じ内容の言い合いが繰り返される会議を重ねた結果、なんとかエレンの審議を執り行うという結論を出した各兵団。
しかし、前代未聞の異例の事態のため、今まで壁内で運用されていた通常の法が適用されない兵法会議となる。
そのため、その決定権は全てダリス・ザックレー総統に委ねられる事になった。
連絡を受けた調査兵団一行も急いで審議所へ向かう。
「エルヴィン!!ねぇ?ねぇ?私がエレン迎えに行ってもいいでしょ?!!」
審議所に着くやいなや、興奮気味ににじり寄るハンジ。目覚めた時にエルヴィンとリヴァイが面会して依頼、誰もエレンと接触していなかった。
そのためハンジの我慢も限界な様だ。
「はぁ…分かった。だが、くれぐれも騒がずに連れてきてくれよ。ミケ、ハンジのブレーキ役を頼んだぞ。」
「フン…了解した…」
「え?ミケがついてくんの?もぉ…子供扱いしないでよ。」
そう言いながらミケとハンジはエレンのいる地下牢まで向かって行った。
「クレア、我々は先に審議所の傍聴席へ行こう。」
「あ、はい…」
クレアは心配そうにハンジとミケの背中を見送ると、エルヴィン、リヴァイ、モブリットと共に先に審議所へと向かった。