第83章 第83章 番外編・奇行種、不調
これから無事に出産を迎えるまで、クレアは体調不良や不安な気持ちで苦しい日々を過ごすことになるだろう。
いや…無事に出産を終えても、分からないことに慣れないことの連続で、しばらくは疲労困憊する日々が日常となるだろう。
クレアが不安や疲労で押しつぶされないように自分がしっかりと支えなければ。
生まれてくる2人の子供を愛して、愛される父親になって、クレアと一緒にたくさんの幸せで溢れた家族になりたい。
クレアを抱きしめながらフワリと香るキンモクセイの香りを胸一杯に吸い込むと、リヴァイは新しい誓いを立てる。
自身の腕の中で幸せそうに眠るクレアの身体には小さな命が2つ。
リヴァイはほんの少しだけ腕に力を入れて、大切な大切な存在3人分を抱き締める。
「クレア…愛してる」
再び宿ってくれた愛しい我が子に、愛しい我が子を宿してくれた愛しいクレア。
今までに感じたことのない程の深い幸福感に包まれながらリヴァイは目を閉じた。
季節が2つ変わった先に我が子を抱く未来が待っている。
―どうか、無事に産まれてきてくれ―
神など信じてはいないが、祈らずにはいられない。リヴァイは何度か心の中で唱えるとクレアの寝息につられるように眠りについた。
―fin―