第48章 嫌疑と再会
「迂闊だった…」
「な、何がですか?」
「俺は初めてできた友達はフレイアだと思っていた。根暗な訓練兵時代のお前に友達が…しかも男の友達がいたなんて思ってもみなかった。」
「兵長…そ、それのどこに問題があるのでしょうか…」
「あぁ?大アリだ。お前が鈍感に無自覚にあの男に“初めて”の友達だなんて言ってくれたおかげでアイツは完全にお前に熱を上げちまってるんだよ。」
「え?えぇ??ど、どうしてそんな事に……」
「言っとくがアイツはお前をただの友達としてなど見ちゃいない。」
「な、なんでですか?ルドロフは…短い期間でしたが、友達です。」
そう、確かに友達だった。
自分から話しかける勇気はなかったが、“仲良くやろう”と言われた時は嬉しかったのだ。
そう思った気持ちに嘘はない。ルドロフも同じ気持ちでいてくれてると思っていたのだがリヴァイはそう思わなかった様だ。
「違う。アイツはお前を1人の女として見ている。俺の前で手なかんか握りやがって…」
「1人の女って…そんな事はありません…ルドロフは友達です。」
「はぁ…だからお前は鈍感無自覚奇行種なんだよ…男の俺から言わせればあのルドロフはずっとお前の事が好きだったに違いない。」
「なんでそんな事…初めて会った兵長に分かるんですか?」
「俺の勘だ…でも間違いない…」
「そ、そんなぁ……」
もう何を言っても無駄な様だが、クレアとしてはルドロフはずっと友達だと思っていたため、中々納得する事ができなかった。
しかしルドロフは、ずっとクレアに淡い恋心を抱いていたため、実際はリヴァイの言っている事が正しかったのだが、女である、しかも鈍感無自覚奇行種のクレアに分かる筈などなかった。
「もういい…」
「へ、兵長…?」
するとリヴァイはクレアを横抱きに抱えると、優しくベッドの上に寝かせてブーツも脱がせた。
そして、リヴァイもブーツを放り投げるとベッドに上がりクレアの顔の横に手をついた。
「…俺は…お前の“初めて”は全て自分でなければ許せなかったんだ…」
「えぇ?!」
少しバツが悪そうに視線をそらしながらボソリと呟くリヴァイ。
その言葉にクレアは驚かずにはいられなかった。