第48章 嫌疑と再会
「エレンが調査兵団を希望しているからと言ってもそうスムーズにはいかないだろう…」
「えぇ?!なんでよ?なんでそうなるの?」
「今まで巨人は人類の敵でしかなかったんだ。いくらエレンが人類のために調査兵団に入りたいと言っても、それは人類の生息している内部に入り込むための口実と疑っている者も多数いる。」
「そんなぁ…でもそれなら尚の事エレンは憲兵団なんかじゃなくて調査兵団の管理下に置いた方がいいじゃん?!リヴァイが「危険だと判断した時は俺が殺す」って言えば皆納得じゃないの?」
「ハンジ…そもそも巨人化する人間を壁内に生かしておくのに断固反対している者が多いのだ。どこの兵団の管理下に置くのか以前の問題だ…」
「ん〜…どいつもこいつも石頭だなぁ…あ〜もう!!」
ハンジは柔軟性のない凝り固まった連中に焦れ、頭をガシガシ掻きむしった。
「おいクソメガネ…不衛生だからやめろ。」
「あぁっ!!ここにもいた!石頭!」
「うるせぇな……」
「兎にも角にも、エレンが調査兵団に入団したいと言っているんだ。なんとかやれるだけの事はやってみよう。憲兵団の幹部は今すぐにでもエレンは抹殺すべきだと言っているんだ。まずは公平に審議にかけるべきだと言うことから訴えていこう。」
「だがエルヴィン?審議にもちこめてもエレンが調査兵団の入団が認められる確証はないのだろう?」
ミケが怪訝な顔で問いかける。
「あぁ…まったくその通りだ。でもこのままでは憲兵団の管理下のままエレンは処分されてしまう。」
「審議の結果は博打に賭けるって事か…?」
今度はリヴァイが眉間にシワを寄せて突っ込む。
「あぁ、いかにもだ。」
ミケもリヴァイも“またか…”と言いたげだ。
「アハハ、また今回も博打なの?もうエルヴィンは博打好きだなぁ…」
ハンジは呆れたように笑った。
「ハンジ、別に私は博打が好きなわけではない。調査兵団はいつだってそういう不利な立場なのだ。これからまた各兵団で集まり会議だ。ハンジ達も来てくれ。」
「会議って言ってもまたおんなじ事何度も言い合うんでしょ?いったいなんの意味があるのかね?」
ハンジは文句を言いながら荷物をまとめ始めた。