第48章 嫌疑と再会
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「お待たせしました。」
「あっ!クレアおかえり!紅茶、給湯室にあったんだね!?」
「はい、大きめの缶に入っていたので、黙って淹れてきちゃいました。」
そう言いながらカップに紅茶を注いでいくクレア。
朝食を抜いてきた幹部もなんとか軽く食べる事ができクレアはホッとしたのだが、ある事に気づいた。
「そ、そういえば…団長も朝は召し上がってないですよね?」
「へ?!あ、あれ??」
そう言ってハンジの方を見ると、残りのパン2個を片手で掴み取ろうとしていたため、慌ててクレアが制止をした。
「ハンジさん!どうかそれは団長に残しておいて下さい!!きっと団長だってお腹空いてるはずです…」
「チェ〜、分かったよ。」
ハンジは渋々了承すると、残ったパンが固くならないように、ハンカチで包み直した。
「ありがとうございますハンジさん。」
すると、タイミングが良いのか悪いのか、地下牢に行っていたエルヴィンとリヴァイが戻ってきた。
その2人の姿を見て待ってましたと興奮しだしたハンジ。
「あぁ!やっと戻ってきたぁ!で、どうだった?ねぇどうだったの?エレンは?どんな話したの?調査兵団には入ってくれるって?」
ハンジは興奮を抑えきれずに矢継ぎ早にエルヴィンを質問攻めにした。
「ハンジ…少し落ち着きなさい。」
「おい、うるせぇぞクソメガネ…」
「なんだよリヴァイ!自分は面会の許可が出てたからいいかもしれないけど、こっちは待機だったんだ。知りたいと思って何が悪い!!」
焦れていたハンジはリヴァイに掴みかかろうとするが、すかさずミケが間に入り仲裁をする。
「ハンジの言いたい事に聞きたい事は分かっている。率直に答えを言ってしまえば…エレンは調査兵団への入団を強く希望していた。」
「本当に!?本当に本当?!メッチャ滾るじゃん!!」
しかし、エレンの希望は無事に聞く事ができたが、なかなか一筋縄ではいかなそうだった。