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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第48章 嫌疑と再会






「まだ分からない事だらけだが…今すべき事は君の意志を聞く事だと思う。」


「オレの意志…ですか?」


「そうだ。君の生家を調べるにはシガンシナ区ウォール・マリアの奪還が必要となる。破壊されたあの扉を塞ぐには飛躍的手段…君の“巨人の力”が必要になる…“超大型巨人”も“鎧の巨人”もおそらくは君と同じ原理だろう…どういった訳か、巨人は我々の敵というだけでなく、我々壁内の人間全ての運命をも大きく左右する存在となってしまった様だ。」



エルヴィンは今一度念を押す。



「エレン、君の意志が“カギ”だ。この絶望から人類を救い出す“カギ”なんだ。」


「オ、オレが……」


エルヴィンの言葉を聞いたエレンの脳裏には、5年前の悲劇が、母親の最後の顔が、幼かったが故に何も出来なかった悔しさが、一気に込み上げてきた。



再び混乱したように俯いてしまったエレン。

その肩は僅かに震えたいる様に見える。



色々と想う事があったのだろう。
歯を食いしばったまま動かないエレンにリヴァイが問いかける。



「オイ…さっさと答えろクズ野郎。お前がしたい事は何だ?」


「オレが…したい…事……?」


「あぁ、そうだ…さっさと答えろ。」



俺がお前をどう判断するかはその返事次第だ。



元よりエレンを信じ切っていなかったリヴァイは腕組みをしながら答えを急かした。


すると、食いしばっていたエレンの歯はギリギリと音を立て、その目はギラギラと煮え滾る様な熱を放ち始める。


「……!?」





「オレは…オレは…調査兵団に入って…とにかく巨人をぶっ殺したいです。」





エレンはシガンシナ区出身で、当然だが5年前のあの時も、そして今回の襲撃も、巨人の圧倒的な力をこれでもかと言う程目の当たりにしている。

志高く入団した訓練兵であっても、その圧倒的な力に戦意を喪失してしまっても不思議ではない状況だ。


「ほう……」


リヴァイは少し考え方を変えたようだ。



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