第48章 嫌疑と再会
「あっ!!部屋にいないと思ったらココにいたぁ!!リヴァイ、クレア準備して!審議所に行くよ!」
「「??」」
食堂に入ってきたハンジとモブリットはリヴァイ達を見つけると急いで駆け寄ってきた。
「エレンが目を覚ました…面会が許可されたのはエルヴィンとリヴァイだけなんだけど…みんなで行くってエルヴィン言ってたから…急いで準備して!」
「…了解した。」
エレンが目を覚ました。
ずいぶん待たせてくれたなとばかりにリヴァイは真剣な表情をするとすぐに返事をして立ちあがった。
「あっ…えと、今すぐですか…?」
クレアの手には食べかけのデニッシュ。
「クレアも急いで!え?ん?何?それまだ食べたいの?もう仕方ないなぁ…」
何かを察して仕方ないなと言ったハンジは、ポケットからシワになったハンカチを取り出すと食堂の職員に声をかけた。
「ねぇ!これ少し貰ってくよ!!」
「え?ハンジさん??」
まさか自分がおかわりする分を貰ってくれようとしてるのだろうか?
気持ちは嬉しいが、それは流石に恥ずかしかったクレアは慌てて止めに入ったが、別の人物によって制止が入った。
「おいやめろクソメガネ…クレアが腹壊したらどうするんだ。こっちを使え。」
すかさずリヴァイが止めると、キレイに畳まれた自身のハンカチを出しハンジに突きつけた。
しかし、そういう意味ではないのだと、思わずクレアの顔が引きつる。
「えー?ったく失礼なやつだなぁ。いつから入ってるか分からないけど、ちゃんと洗濯はしてるよぉ!」
「いつから入ってるか分からねぇって時点でアウトだろ…」
しかし、ハンジはブーブーと言いながらリヴァイのハンカチを使いデニッシュの他にも全ての種類のパンを包み始めた。
「はい、クレア!これでいい?ホラ行くよ!」
「……あ、ありがとう…ございました。」
なんだかこれでは食意地のはった子供みたいではないか…恥ずかしさと気まずさでいっぱいになってしまったクレアは、食堂の職員にまともな礼を言えないまま去ることになってしまった。