第48章 嫌疑と再会
もちろん、クレアはエルドやペトラから、リヴァイはハンジから。
互いの無事は確認できていたが、姿も声も感じる事のできぬまま壁外調査後を過ごしたのは初めてだった。
クレアもリヴァイもやる事、やらなければならない事でいっぱいだったが頭の中ではずっと想い合っていた。
リヴァイはクレアが…
クレアはリヴァイが…
恋しいと…
重なった2つの心臓の鼓動が、抱きしめられた腕の力が、身体の熱が、同じ想いであった事を証明している。
「へいちょう…」
リヴァイも同じ想いでいてくれた事に思わず涙が込み上げてきてしまった。
「兵長……わたし…ずっと…寂しかったです…」
まだまだ警戒態勢であるのは承知の上だが、クレアは今まで我慢をしていた気持ちが一気に溢れてきてしまった。
「今日は素直だな…」
リヴァイはクレアの首元に顔を埋めたまま囁く。それと同時に久しぶりに感じるキンモクセイの香り。
クレアの存在と、クレアの纏うキンモクセイの香り。
リヴァイはやっと安堵する事ができた。
ただのキンモクセイの香りだけでは駄目なのだ。クレアの身体から分泌されてるであろう体臭と混ざり合ったこの香りこそが、リヴァイの愛しいキンモクセイの香りだ。
リヴァイは細くて白い首筋に唇を這わせながら胸いっぱいにキンモクセイの香りを吸い込み堪能する。
「…あっ、兵長……」
触れる唇の感触に思わず身体から震えてしまったクレア。
満足するまで堪能すると、再び交わる視線。
「クレア……」
鼓膜を揺さぶる様な低い声で名を呼ばれると、自然に唇が重なった。
「……ん、んん……」
クレアが吐息を漏らした隙に舌を侵入させると、リヴァイは口内の隅から隅までじっくりと舌先で愛撫をしてやる。
クレアも久しぶりに感じた愛しいリヴァイの感触に、酔いしれ抵抗することなく受け入れた。