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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第48章 嫌疑と再会






放り投げられながらもそんな事を考えていると、すかさずリヴァイがクレアの上に乗り両手を顔の横についた。



「あっ………!」



暗い部屋でもカーテンをあけたままの窓からは月明かりがさしこみ、リヴァイの顔を柔らかく照らしている。


真顔だが怒ってはいないようだ。


「あの…兵長……?」


すると、リヴァイは少し不安げな表情で見つめてくるクレアの頬をそっと撫でる。

その力加減は、脆く壊れてしまいそうな砂糖菓子に触れるかの様に優しく…繊細に触れている。

こそばゆくなりクレアは少しだけ目を細めた。





「本当に…、本当に何もなかったか?」


「え…??」


「あの憲兵の豚野郎共だ…お前の事を乱暴に扱いやがって…」


そう言うと、リヴァイの眉間に深くシワがよる。
もしかしなくても、心配をしてくれているのだろう。


「ご心配おかけしました…確かに、横柄な態度をとられ戸惑いましたが…大丈夫です。」


「…俺は…大丈夫じゃなかったぞ…」


「ありがとうございます…そのお気持ちだけで十分に救われますから。」


審議所で倒れ込んだ時に目に飛び込んできた、怒りをあらわにしたリヴァイの姿。

あの時はクレア自身も悔しくやるせない思いをしたのだ。そしてリヴァイはきっとそんな自分の悔しい気持ちを代弁してくれようとしたのだろう。

自分の思いを汲み取ってくれた気分になり、もうクレアは嫌な気持ちになった事などすっかり忘れてしまった。


「…………」


するとまた黙り込むリヴァイ。


「へ、兵長……?」


今度はどうしたのだろうか…

少し胸がざわつき出すと、リヴァイはそのままクレアに覆いかぶさり抱きしめた。


「あっ…!」


「ずっとお前の事ばかり考えていた…無事で…よかった…」


「…へいちょう……」


リヴァイの言葉に胸が切なく痛む。

壁外調査の朝、執務室を出てからリヴァイとクレアはずっと離れ離れだったのだ。


寂しく想っていたのは、クレアだけでは無かったようだ。






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