第48章 嫌疑と再会
久々にゆっくりと食事ができた調査兵団一行は、一旦審議所まで戻り馬を馬装させると、部屋があてがわれているストヘス区の憲兵団の兵舎まで戻っていった。
憲兵団の兵舎に到着し、空いてる馬房にデイジーを入れて軽くブラシをかけてやる。
そして、6人で兵舎に戻り、空き部屋の確認をしにハンジが近くの憲兵に声をかけ調べてもらったのだが…
「えぇ?!それはないでしょ?!」
なんだかハンジが客室のリストと思われる物を手にした憲兵に向かって文句を言っている。
何があったのだろうか…
「ハンジ、どうした?」
「あ、エルヴィン。もうここの客室は満室なんだって…あんなに無理矢理引っ張る様にクレアを連れてきたくせにこの扱い酷くない?」
その憲兵によると、すでに客室は他の兵団の幹部などで埋まっていて空きは無いそうなのだ。
「うむ……」
酷い対応でクレアを審議所まで連れてきた挙げ句に泊まる部屋がない。
しかも、クレアはエレンの過去、そしてその父グリシャ・イェーガーの存在にも深く関わりがあった人物であったため、嫌疑は晴れたが、エレンの処遇が決まるまでは調査兵団の幹部の監視下にいる事が命じられていた。
命じたのは良いがこの対応。
ハンジの怒りももっともだとエルヴィンはどうしようかと少し考えこんだが、ここで1番怒り狂いそうな人物が黙っている。
「なんだよ…そんな事かよ…」
意外な事を口にしたリヴァイに全員驚き注目するが、次に発せられる台詞が読めると、みな心の中でため息をついた。
「おい、クレア。お前は俺と同じ部屋でいいだろ。ホラ、荷物かせ。持っていく。」
予想通りの展開に皆苦笑いだ。
「あ、ま、待って下さい!!相部屋ならハンジさんとにしますよ!!」
「あぁ??あのクソメガネはダメだ。風呂に入んねぇ不衛生極まりない上に、お前に何をするか分かったもんじゃない。却下だ。」
リヴァイはこの間ハンジの自室で起こった事を根に持ってるのだろう。
ハンジとの相部屋は断固として許可しなかった。