第48章 嫌疑と再会
「どんな野郎だろうと、下手な真似をしたら削ぐまでだ。エルヴィン、面会許可が下りたら俺も連れてけよ。」
運ばれてきた料理を口に入れながらリヴァイがエルヴィンに念を押した。
「ちょっとリヴァイ!エレンはクレアの知り合いなんだから、もう少し言葉を選びなよ!!それにせっかく巨人の秘密が解明できるかもしれないのに!!物騒な事言わないで!!」
「ぶ、分隊長…!!」
「あ?拘束してるとはいえ壁内に巨人がいるんだ。怪しいと判断したら容赦はしないからな。」
「あ、あの…お2人ともやめてください…確かにエレンは私の知り合いでしたが、それも随分前の話ですし…状況も状況ですので…」
言い合いがエスカレートしてはせっかくのレストランの食事が台無しだ。
クレアとモブリットは2人の会話を遮るように仲裁に入った。
「もう…わかってるってばぁ…で、エルヴィン、今エレンは憲兵団の管理下でしょ?彼を調査兵団で受け持つ算段はついてるの?」
きっと正式に憲兵の手に渡ってしまえばエレンは即殺害されるだろう。
巨人の驚異はどの兵団よりも知っている調査兵団だが、エレンの能力や意志次第ではウォールマリア並びにシガンシナ区を奪還する希望の星にもなるのだ。
そのため、なんとしてもハンジ達はエレンを調査兵団に連れて帰りたかった。
「算段が無い訳ではないが、彼の意志次第だ。訓練兵団時の資料では強く調査兵団を希望していたようだが…」
「調査兵団希望してたの?ソレって激アツじゃん!なら、いつものエルヴィンお得意の話術で調査兵団に入るように勧誘してよ。」
「ハンジ…話術で勧誘とは…あまり人聞きの悪い事は言わないでくれ…」
「フッ…エルヴィンは十分にペテン師だろ…」
ミケが鼻を鳴らしながら突っ込みを入れる。
「アハッ!アハハハ!エルヴィン、ペテン師だって〜。まったくまんまじゃん、ミケナイス!」
「フンッ…」
久しぶりの酒だったせいもあり、先程のリヴァイの言い合いなどすっかり忘れてハンジは上機嫌だ。