第48章 嫌疑と再会
「い、いえ…そんな…団長が謝らないで下さい…!!」
確かにいきなりの事だらけで驚いたのは嘘ではないが、エルヴィンのせいではないことくらいクレアは十分に分かっている。
ハンジに抱きつかれながらもクレアは両手を前に出しブンブンと首を振った。
「そう言ってもらえると助かるが…本当にすまなかった。」
審議所につらてこられた時のクレアの扱いを見れば、呼び出しに行った憲兵がどんな対応でクレアに接したか一目瞭然だ。
やはりエルヴィンは、団長として責任感を感じずにはいられなかった様だ。
「ほらクソメガネ…いつまでクレアにくっついてるんだ。暑苦しいだろ!とっとと離れろ…」
「うわっ!いったいなぁ!リヴァイのせいでせっかくの再会が台無しだよー!!」
「ハッ…言ってろ……」
すると、今度はずっと会いたかった人物が目の前に現れる。
「リ、リヴァイ兵長……」
「あの憲兵の豚野郎に何かされなかったか?それと…ホラ…大丈夫か?」
そう言うとリヴァイは、先程審議所の囲いに入れられた際に押し倒されて擦ったしまった頬を優しく指の背で撫でた。
傷にはなっていないがやはり少し擦れていた。
「あ、あの…大丈夫です。ご心配かけて申し訳ございません!!」
触れられた部分からどんどん熱が上がってくるのが分かる。ちゃんとリヴァイの目を見て礼を言いたかったが、視線が合ってしまったらきっとこの心臓はうるさく騒ぎ出してしまうだろう。
そう思うと中々目を合わせる事が出来なかった。
「ほらほら〜お2人さ〜ん。お熱いムードを作るのは部屋に戻ってからにしてもらえませんかね〜?」
「ぶ、分隊長!!!」
「あぁ?なんだと?クソメガネ?!」
クレアとのやりとりに茶々を入れてきたハンジにすかさずリヴァイは噛み付いた。
「ハハハ、怒った〜。リヴァイは短気だね〜。短気は損気だよ。ねぇねぇエルヴィン?やっと審議も終わったし今日は外に食べに行かない?」
まったくもって怒りが通じてないハンジにリヴァイはイライラした態度をむき出しにしたが、提案した内容は悪いものではなかった。