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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第48章 嫌疑と再会





「フン、こんな物をつけるなんて、調査兵のくせにたいしたご身分だな。」


ただの香油だと分かると、憲兵はその瓶を放り投げクレアに返す。


「あっ…!!」


慌てて両手でキャッチをすると、クレアは身体を屈めて視線を合わせようとしている憲兵と目が合い、思わず後ずさった。


「それともアレか?この香りで金持ちにすり寄って、ベッドの中で大金を巻き上げる様な事でもしてるのか?」


「…!!!」


「調査兵は万年資金不足だ。お前みたいな顔のいい女は資金稼ぎにはうってつけだろ?」


すると、その憲兵は下品に口角を上げると、クレアの顎を掴み品定めするかの様に厭らしく見下した。


「顔はいいが身体はガキだな…でも、意外にこっちは絶品なのか?」


顎を掴んでいた手をそのままツツと、下に下げると、その手は秘部を指さそうとしたが、カッとなったクレアは思い切り後ろに下がると、キッと憲兵を睨みつけた。


この香りは今亡き母親の大切な思い出のモノでもあり、自分を奮い立たせてくれたモノでもあり、それに何よりも愛しいリヴァイが好きだと言ってくれた大切な香りなのだ。


資金不足の調査兵団のために、エルヴィンが影でしている努力を否定するつもりなど決して無い。


だが、この大切な香りを侮辱する様な言い方をされたのにはさすがのクレアも腹を立てた。

しかし、ここで口論をしたって自分に分が悪いのは明らか。


「お言葉ですが、これは今は亡き母が愛用していたもの。邪推は御容赦ください。」


クレアは睨み上げる視線をそらさぬまま荷物を抱えて部屋を出た。


「ハッ、ガキが……」


吐き捨てるような言葉が聞こえてきたが相手にしてもしょうがない。

黙ってクレアは兵舎の玄関を出ると、年上の兵士がデイジーの馬装を済まして待機してくれていた。



「すみません…ありがとうございます。」



「いや、いい…気をつけて行ってこいよ。」



その兵士は何か声をかけてやりたそうな表情だったが、威圧的な態度の憲兵2人の前では何も口にすることができなかった。



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