第7章 調査兵団とハンジ班と時々リヴァイ
思いもよらず自由時間ができてしまった。
しかし、今日入手した情報を頭に叩き込むにはちょうどいい。
クレアは先程まとめた紙を手に、ひとけのない書庫へとやってきた。
歴史書から娯楽の小説など、様々な本が置いてある書庫だが、あまり利用する兵士はおらず、いつもガランとしていた。
ロウソクに火をつけると、さっそくクレアは自主勉強にとりかかった。
「ふぅーーー……んー!疲れたー!」
座ったまま伸びをする。あらかた頭に入ったところで時計を見ると、10時をまわっていた。
そろそろ風呂に入って寝た方がよかったが、クレアは少し寄り道したい所があった。
書庫を出てある場所に向かう。
──ガチャ──
ここはハンジの執務室のある旧舎の、非常階段につながる扉だ。扉をあけ外に出ると、階段は若干さびてて怖いが、ここから見える満天の星は最高の絶景だった。
1ヶ月程前に偶然見つけたこの場所はクレアの秘密の特等席だった。
たまに時間を見つけては、ただただ星空を見つめるだけの時間を過ごしていた。
「ふぁーー、今日もすごいなぁ。きれい……今日、あんなに悩んで、泣いて、必死になんとかしようとしたのが嘘のよう……フフフ、ここは誰にも教えたくない、私の秘密の特等席だわ…」
満天の星に元気をもらうと、クレアは風呂に入り床についた。
──エルヴィン、団長室──
「では、会議はここまで。皆遅くまでご苦労だった。引き取って休んでくれ。」
時刻は間もなく日付が変わろうとしていた。
会議では壁外調査の日程や、各新兵のスキルやメンタル面の確認などでだいぶ時間がかかった。
「リヴァイ、今日は本当にありがとう。クレア、すっかり調子戻してた……今回はリヴァイにいいところもってかれちゃって悔しいよ〜。」
ハンジはノートや資料をまとめながらため息をついた。
「俺はただきっかけを与えただけだ。そんな大したことしてねぇよ。まぁどうしても礼がしたいってなら今度はお前の奢りだからな…」
「ハハハ、わかったよ〜。お手柔らかに頼むよ。」
明日はリヴァイ班と、ハンジ班での馬当番だ。
クレアは今日1日必死になって勉強した成果を、無事に出すことはできるのであろうか。