第7章 調査兵団とハンジ班と時々リヴァイ
「礼はいい、もとはと言えば、今朝俺が変なプレッシャーをかけちまったのが悪かったしな…」
「いいえ!そんなことはありません…遅かれ早かれどうにもならなくなってました。なので、兵長には感謝しています。」
「まぁいい…それより、上官につかみかかるのは俺くらいにしておけよ。ミケやエルヴィンなんかにやってみろ、速攻とって食われるからな。」
クレアの顔がピクリと引きつった。
「はい…気をつけます…壁外調査に出ないままクビになるのはさすがに恥ずかしいので…兵長にも、大変失礼を致しました…」
そういうことを言ってるのでは無い。
まったく全てが無自覚で困ったものだ。あんな事を他の男兵士にして無事に済むとは到底思えない。
リヴァイは気が気でなかった。
「はぁ…もういい。ここはカギを閉めるから忘れ物をするなよ。」
「は、はい!兵長、今日は本当にありがとうございました!」
クレアはリヴァイのため息の意味は分からなかった。しかし、今日は色々とあったが、ハンジやリヴァイのおかげで大収穫であった。明日からの訓練、また頑張れそうだ。
自室に戻るクレアの足取りは軽かった。
皆訓練を終え、続々と食堂に集まりだす時刻、クレアもちょうど食堂にいて、夕食をとっていた。
「クレアーー!お疲れ!午後はリヴァイと何してたの?」
ハンジがひょっこりと現れた。
「ハンジさん!!お疲れ様です!」
2人は一緒に夕食をとり始めた。
「午後は、兵長に地下の資料室に案内してもらって、馬手帳の情報を収集させてもらいました。各馬の特徴や性格や乗り方のコツなど、色々と教えて頂きました。明日からまた頑張れそうです。」
「馬手帳かぁー!リヴァイも考えたなー!あれは細かいこと沢山記載されてるし、早速明日から生かされそうだね!」
「はい!」
すると、食事も後半にさしかかった頃、モブリットがやってきた。
「あ、分隊長!急ですが夕食後、団長の執務室で会議を行うそうです。」
「そうか、わかった。そろそろ壁外調査の日程をつめるのかな?クレア、今日は何時に終わるか分からないから、この後は自由にしてもらって構わないからね。」
ワシャワシャと残りをかきこむとハンジは、モブリットと食堂を後にしてしまった。