第47章 悪夢、再び
それだけではなく、リヴァイは鈍感なクレアに振り回され、お忍びで自分達の元まで意見を求めて訪ねてきた事もあった。
今まで特定の誰かを気にかけた姿など見た事のなかったペトラ達は、リヴァイの心境の変化には、それはそれは大変驚かされたのだ。
だが、リヴァイが自分達の元まで相談に来た事などクレアは当然知らない。
「ふふふ、私は知ってるんだよな〜。兵長がどれだけクレアに夢中か。」
「え?そ、それはいったいどういう…」
「それは、クレアが敬語やめてくれたら教えてあげる!」
「そんなぁ…」
「だから、知りたかったら敬語は早くやめる事ね。」
「ペトラさん…?」
「ほら、そろそろ出ないと今度はのぼせちゃうよ。早く出よ。」
「あっ……」
ペトラはクレアの手を取ると、引っ張るように湯船から出した。
その後も、ペトラとクレアは一緒に食堂で夕飯を食べた。
すると、ハンジとモブリットも少し後にやって来て、夜の仕事は休みにするから早目に休むように告げられた。
「じゃあクレア、明日も頑張ろうね。」
「は、はい!!ペトラさんも、お疲れ様でした。」
夕食を終えて、食堂を出るとペトラは女子棟に入った所でクレアに手を振った。
クレアも先輩兵士であるペトラに敬礼をしてその背中を見送ったのだが…
ペトラは少し行ったところでピタリと歩みを止めると、クレアの方に振り返った。
「??!」
クレアは何か仕事で伝え忘れた事でもあったのかと思ったのだが、ペトラが話した内容は仕事の事ではなかった。
「クレア…実はね、秋にフレイアが亡くなってからずっと言おうと思ってて言えなかった事があったの…」
「……えっ…??」
フレイアというキーワードが出てきて、クレアは驚きを隠せなかった。