第47章 悪夢、再び
「…私で良かったらいつでも頼って欲しいって言ってあげたかった…私も親しかった仲間達と何度も別れてきたから気持ちは凄く分かるの。でも、分かってしまうからこそ…なかなか言い出せなかった…でも、言わなきゃ何も伝わらない…せっかく同い年だって知って、親近感わいて、嬉しかったんだもん。だから今、言わせてもらったよ。」
少し戸惑いながらも、正直に打ち明けてくれたペトラにクレアの心は再びジンと熱くなる。
「だから…早く敬語は卒業してね?」
「は、はい……」
「じゃ、おやすみ。明日はリヴァイ兵長帰ってくるといいね!!」
ニコリと笑うと、ペトラは再び背中を向けて部屋へと戻っていった。
…ペトラがそんな風に想ってくれていたなんて知らなかった。しかし、クレアは素直に嬉しかった。
ペトラの想いが伝わると、敬語はもう使わないでと言った気持ちもなんとなく理解できた様な気がしたクレア。
それと同時にジンと熱くなった胸がじんわりと全身にその熱を巡らせ、クレアを心地良い気分にしてくれた。
先輩兵士だが、いつだって気さくで優しかったペトラ。
オルオにいびられそうになるとすぐに助け船を出してくれたペトラ。
同い年だと知って嬉しかったと思ったのはクレアだって同じだ。
これからはもっと、親しくなれるだろうか…
フレイアと同じように、なんでも話せる仲になれるだろうか…
クレアは自室に戻るとそのままベッドに倒れ込み布団を被った。
そして2段ベッドの上の段を見つめるように仰向けになる。
「フレイア…私、フレイアが死んでしまってから、1人でいる時間が多かったから…もしかして心配させてたかな?…でももう心配しないで…私を気にかけてくれてたペトラさんが、友達の様な存在になってくれるかもしれないの…とっても嬉しかったから…もう心配しないでね、フレイア……」
今は亡き親友に報告をすると、クレアはポロリと一筋の涙をこぼしながら、眠りについた。
明日はリヴァイに会えることを祈りながら……