第47章 悪夢、再び
「…あっ……」
「あれ、クレア?今日はお疲れ様!!」
大浴場の脱衣所に入ると、ペトラから名前を呼ばれた。ちょうど服を脱ぎだした所から、ペトラもこれから風呂に入る様だ。
「ペトラさん…ペトラさんも、今日はお疲れ様でした!」
「今ちょうどタイミングよく貸し切りだよ。一緒に入ろう。」
「は、はい!!」
ペトラの明るい笑顔につられてクレアも笑うと、急いで風呂に入る準備を始めた。
1人で黙って入るより、誰かと一緒の方が気が紛れる。少し心が軽くなった様な感覚になると、クレアもペトラの後を追いかけ大浴場に入って行った。
2人で並んで髪を洗い、身体を洗うと貸し切り状態の湯船に肩まで浸かる。
「うーん!!疲れたぁ!昨日は避難所でお風呂入れなかったから辛かったね。でもトロスト区内の掃討が1日で終わって本当に良かった。2日もお風呂に入れないのは流石にキツイからね!」
「そうですね…」
ペトラは大きく伸びをしながら1日ぶりの湯船を堪能している。
せっかく任務を終えてくつろいでる所に申し訳ないという気持ちもあったが、クレアはどうしても聞きたい事があり、ペトラに質問をした。
「あ、あの…ペトラさんは昨日何が起こったのか聞かされてますか?いったい、トロスト区には何が起こってたのでしょうか…私、ずっと分からないままで…」
しかし、ペトラは嫌な顔1つせず答えてくれた。
「ごめん、私も詳しく聞かされてないんだけど、内地に行く前にリヴァイ兵長から聞いた話だと、やっぱり5年前と同様に超大型巨人が現れて壁門を破壊したらしいの。でも、その穴を塞いだのも巨人だとかなんとかで…私達班員も聞きたい事がいっぱいあったんだけどね、そうこうしてる内に兵長達は内地に行ってしまったから、聞けず終いで…」
「え?穴を塞いだのも巨人…ですか??」
「私にはそう聞こえたけど詳しい事は分からないの…まずは1日も早く兵長達に戻ってきてもらわないとだね。クレア明日は?どこに割り当てられたの?」
どうやらリヴァイ班のペトラにも詳しい事は分からない様だった。