第47章 悪夢、再び
すると、今度ハンジはエルド達を呼んだ。
「エルド達、悪いけどトロスト区内の巨人の戦滅に目処がたったら捕獲作戦を行いたいんだ。だからトロスト区全体にもう巨人が残ってないか確認してきてくれないか?」
「ほ、捕獲ですか?」
ハンジはいたって真面目に話したつもりだったが、“捕獲”というキーワードを使うとどうしても身体の底から湧き上がる興奮が止められない。
真顔な表情の裏に隠れた滾る情熱がだだ漏れで、エルド達は一瞬顔が引きつってしまう。
「大丈夫大丈夫!!独断行動じゃないよ!ちゃんとエルヴィンの許可もとってある!嘘じゃないよ!断じて嘘ではない!」
嘘ではないと連呼されると余計に怪しい。
しかし、さすがのハンジもエルヴィンが許可をしたなんていう嘘はつかないだろう。
エルドはそう判断すると、グンタ達に号令をかけた。
「承知しました。そしたらみんな、トロスト区全域をチェックだ。まだ潜んでる巨人を発見次第討伐。さぁ、行こう。」
「みんな宜しく〜!!…さーてっと、こっちも終わらしちゃうよ!クレア〜!再開再開!!」
「は、はい!いつでも大丈夫です!!」
笑顔で手を振ると、ハンジとクレアは再び固定砲の周りの巨人を次々に討伐していった。
すると、1時間も過ぎた頃、エルド達が戻ってきた。
「みんな、おかえり〜!どうだった?!」
「ハンジさん!!巨人はここに残っているので最後です!!」
「了解!!ありがとう!そしたらそろそろ捕獲作戦に入るよ!」
壁上固定砲の周りにいる巨人も目で数えられる程にまで減った。
するとハンジが駐屯兵団の兵士に声をかけ、捕獲作戦の協力を仰いだ。
「ねぇみんな!!固定砲は止めて、これからあそこの巨人を捕獲するから協力して。」
「まだ言ってるのか?!俺達を無駄死にさせる気か!!」
すると、固定砲での掃討を指揮していたと思われる年配の駐屯兵がハンジに噛み付いてきた。