第47章 悪夢、再び
「よく分からないけど、やらなくちゃいけない事は分かった。壁の周りにいる巨人を片っ端から討伐していけばいいんだね?」
「はい!私とグンタ、オルオ、ペトラ、そしてハンジさんの班員で巨人の討伐を。ミケさんの班が壁の上に上がった兵士の誘導を行ってくれるそうです。」
「分かった!!モブリットもクレアも話は聞いてたね?状況は分からない事だらけだが、今は壁の周りにいる巨人の討伐だ。気合い入れていくよ!?」
「「は、はい!!」」
ハンジ達は壁付近にいる巨人達の掃討に入りながら壁に向かってくる兵士達に向かって叫ぶ。
「馬は待機させて皆立体機動で壁を登れ!!」
「登ったら上にいるミケさんの指示に従って下さい!!」
「みんな急いで!!」
クレアは討伐に集中したいが、分からない事だらけでうまく集中しきれていなかった。
この分からない事だらけの状況。
やはり5年前の時と一緒だ。
分からない事だらけのまま必死に走ったあの時と。
今もそうだ。
分からない事だらけのまま目の前の巨人とひたすらに戦っている。
いったい何が起きたのだ。
トロスト区の門には大きな損傷があるが、内側から塞がれていて巨人は中に入れない様だ。
でも何で塞いだ?
岩の様な物にも見えるが、そんな巨大なもの、いったい巨人が侵入してくる中どうやって動かしたのだ。
巨人討伐に長けた調査兵は皆壁外調査で出払っていたのだ。
皆目検討がつかなかった。
数時間後、少し日が傾きかけた頃、全ての調査兵が壁を登り終えると、到着したりリフトによって馬は傷ひとつ負う事なく避難させる事ができた。
まだトロスト区内には閉じ込められた巨人が蠢いていたが、日没と共に一旦討伐は打ち止めになり、各兵団の幹部は内地へ緊急招集となる。
そしてクレア達は、この夜はローゼ内の緊急避難所で一夜を明かした。
そして、翌日、トロスト区内に閉じ込められた巨人の本格的な討伐が始まった。駐屯兵団は壁上固定砲を使い壁の上から攻撃を。
残りの巨人も調査兵により次々に討伐をしていく。