第47章 悪夢、再び
天気は晴天。
雲ひとつない青空だ。
そしてこの壁外調査が終われば、訓練兵団では卒団式が行われ、104期の新兵達が入ってくる。
もう102期も103期も生き残っているのはわずか数名。自分がしっかりしなくては……
クレアは全速力でデイジーを走らせながら、より一層緊張感を纏いながら前進した。
「あっ!!」
時折前方で赤や黒の信煙弾が上がり、それに合わせて緑の信煙弾が上がる。
黒の信煙弾が上がってる位置では討伐が行われているはずだが、今の所ハンジ達の周りでは索敵の取りこぼしはなさそうだった。
「だいぶ進みましたね…」
「このまま突っ走って行けると順調なんだけどね〜」
まずは緑の信煙弾の方角にそって第一補給拠点まで向かう。
今の時点では順調そうに進んでいると思われた。
しばらく走らせると、無事に補給拠点に到着したハンジ達。
もうすでに到着していた班長らと幹部で、生存者の確認と、作戦の練り直し等が話し合われていた。
「私も行かなきゃ!!モブリット、ランティス頼んだ!!」
ハンジも作戦会議に入るべく走っていく。
「クレア、デイジーも俺が見ておくから怪我人の手当に行ってくれ。ほら、向こうで呼んでるぞ。」
「え!?」
モブリットが指差す方向を見ると、こっちに向かって手を振っている兵士がいた。きっとクレアの到着を待っていたのだろう。
「す、すみません!モブリットさん…ではお言葉に甘えて…デイジー宜しくお願いします。」
クレアはデイジーから医療道具が入ったバックを降ろすと、怪我人がまとめられている場所まで走って行く。
するとそこでは、先に到着していた兵士達によってトリアージが済ませてあった。
「お待たせしました。トリアージ助かります。早速処置に入りますね!!」
クレアは出血量の多い負傷兵から先に手当を始めていく。
黒の信煙弾が数回上がっていたため、奇行種との戦闘が避けられなかったのだろう。まだ1回目の補給拠点だが、負傷兵の人数は少なくなかった。