第47章 悪夢、再び
ウォール・マリア奪還ルートを完成させるためには、今後は夜営をしながらの壁外調査に移行しなければならないのだ。
その夜営を伴う壁外調査がもう間もなく。
何が起こるか全く不明瞭。
そして2人に残された自由になる時間もあとわずか。
そうなればリヴァイの考える事ももっともだろう。
おそらく休日の今日、朝のこの時間か、仕事を終えた後の時間くらいしか残されていない。
それを分かっていたリヴァイは迷うことなく部屋着に着ていたダークグレーの長袖シャツを脱ぐと、全てのボタンを外し終えたクレアのシャツもスルリと脱がせてしまった。
「へ、へいちょう……」
リヴァイは仰向けになっているクレアの上に乗っている。先程のハンジにされていた事と全く同じだ。でも目をそらしたくても視界に入ってきてしまう、鍛え上げられたリヴァイの肉体美。
クレアは鍛えても鍛えても筋肉が付きにくい体質のためか太ってこそいないが全体的に筋肉量は少なめだ。
そのため、自分と正反対のリヴァイの身体は何度見ても、目をそらしたくなるほど美しい肉体美だった。
「クレア…」
真っ直ぐな目で見つめられ、名前を呼ばれ、抱きしめる様に身体を重ねて唇を奪われれば、もう頭の中はリヴァイでいっぱいだ。
鍛え上げられた熱い筋肉が、直接クレアの肌に触れる。それだけで、もう昇天してしまいそうな程に心臓は高鳴った。
あまり時間のない事を承知しているリヴァイは少し性急に愛撫を進める。
「あぁ…あぁん…へ、へいちょう…ま、待って…ください…」
「それは聞けない相談だ…俺達にはそこまで時間が無いんだ。1分でも、1秒だって惜しい…だから文句を言うなら後でだ…」
「あぁ…あぁん……へいちょう…へいちょう…」
時間が惜しいと言われてしまえばクレアはもう何も返す言葉がない。
それだけリヴァイが自分との時間を大切にしてくれている。十分に嬉しかったクレアは、送り込まれる快感に素直に酔いしれ、残されたわずかな時間をリヴァイと共にベッドの中で愛し合う事を受け入れた。
「も、文句なんて…ありません…」
「そうか…それでいい…」
リヴァイは満足そうに口角を上げると、許された時間の限りクレアをベッドの中で心ゆくまで堪能した。