第47章 悪夢、再び
「お前の冗談はセンス無さすぎだ。迷惑極まりないから今後コイツには一切するなよ…」
「なんだよ〜リヴァイはケチだなぁ。それにしても何でクレアがここにいるってわかったのさ?」
ハンジの言う事ももっともだ。
今日は休日な上に早朝だ。
リヴァイとて寝ていた筈なのに何故バレた。
ハンジの頭の中は疑問符だらけだった。
「コイツがお前の名前を呼びながら部屋をノックしたからだ。」
「「え!??」」
ハンジもクレアも声を揃えて聞き返してしまう。
確かにハンジとリヴァイの部屋は斜め向かいだが、幹部棟の1部屋はそこそこ中も広いし壁も厚めだ。
その上廊下の幅も広いため、斜め向かいと言ってもかなり距離がある。
クレアはハンジの名を呼びノックをしたが、流石に眠っているリヴァイに聞こえるような大声を出したわけではない。
そんな声を出していたならリヴァイよりもハンジの向かいの部屋にいるミケが起きているはずだ。
「ハ、ハハハ…とんだ地獄耳だなリヴァイは…」
「あ?聞こえない方がどうかしてる…ほら、クレア行くぞ…」
ハンジは正直な感想を述べたまでだが、リヴァイからしてみれば聞こえない方がおかしい様だ。
「おい、いい加減クレアから降りろクソメガネ…コイツに乗っていいのは俺だけだ。」
「へ、兵長!!!??」
サラッと奇抜な発言をするも、本人は全くもってそんな気はなさそうだ。
リヴァイは苦笑いしているハンジを押しのけると、クレアの手を引きベッドから降ろした。
「クレア…戻るぞ。」
「あ、あの…兵長!?私これからハンジさんと一緒に…」
「今日は休日だ。別に今すぐにやらなきゃならない事なんてないだろう…」
「で、ですが……」
2人の顔を交互に見ながら戸惑うクレアに、ハンジは大きなため息をつきながらドスンと胡座をかくとヒラヒラと手を振った。