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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第46章 巣立つ想いと、残る想い





モブリットの気持ちに応えてやる事ができないと分かっていながらそれでも副官としては側にいて欲しいと願っていた。


モブリットに異性として恋心を抱く様な感情は無かったが、壁外調査ではその討伐力に頼もしさを感じ、仕事を任せる事もできる程信頼し、そして何よりも側にいて1番安心できるのが、モブリットという存在だった。


今まではモブリットの想いに甘え、気づかぬフリをして日々過ごしてきたが、もうそれは卒業せねば。




だからこそ言ったのだ。

モブリットが悟れる様な言葉を。




ずっと自分という人間の側にいたモブリットだ。

先程言った言葉で十分に悟れただろう。




「あ〜あ…流石に休日くらいは1人にしてやらないとな…」


自虐的になるハンジに向かってニッコリと微笑みかけてる様に見える三日月。

真っ暗な夜空に輝く可愛らしい三日月を眺めながらハンジは残りのウォッカをクイッと煽った。
















「……………」



モブリットは空になった酒瓶と小皿を持ちながら1人暗い廊下を歩く。


自分が今日部屋に訪ねてきた理由をいったいハンジはどこまで見透かしていたのだろうか。



他にも目を向けろ

ちゃんと向き合え

滾る心の命ずるままに



その言葉達は、モブリットの胸の中でモヤモヤとしていた何かを見事にを突き動かした。


ハンジから投げかけられたその言葉の先には、もうどうしたってタリアの顔しか思い浮かばくなってしまっていた。



それに、「滾る心の命ずるままに」



なんの偶然か、ハンジの口から娼館での合言葉が出てくるとは思ってもみなかった。

しかし、いつも研究と実験と訓練にやる気を漲らせているハンジから言われると、別の意味で背中を押された様な気がする。



あそこまで言われたのだ。
もう、自分の中でモヤモヤとしていた気持ちの正体とキチンと向き合わなければ。




自分が慕情を寄せる相手はハンジからタリアへと変わっていったのだと


自分はタリアの事を1人の女性として、好きになったのだと…


もう、認めなければ。




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