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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第46章 巣立つ想いと、残る想い






「そうか…それを聞いて安心したよ。」


くどくどとした話にも関わらず、少し安心した様に笑うと、ハンジはまた一口、豪快にグラスを傾け煽る。


顔は笑顔なのに少し憂いを帯びて見えるのは気のせいだろうか……



「分隊長……」



そのかすかに見せた憂いの視線に少し沈黙するが、すぐにまたハンジの方から話を始めた。


その内容はいたってどうでもいい世間話。

その世間話を酒を飲みながら延々と一人劇場の様にハンジは続けた。












そしてそのまま時間はたち、気づけば月も高く昇り、いい時間だ。

そろそろお開きにしなければ明日の訓練に支障が出てしまうだろう。

すると、そのタイミングを見計らっていたかの様に瓶の酒が空になる。




「このお酒がこんな短時間で空になるなんて…本当に分隊長くらいなものですよ…」


感心というか、少しため息をつきながら片付けをするモブリットにハンジは上機嫌だった。


「アハハ、そう?だって、残したら誰かが飲んじゃうかもしれないじゃん?美味くて高い酒ほど飲み切ってしまわないとね!!」


「わ、分かりましたよ…それではそろそろ私は失礼しますよ。突然訪ねてきたりしてすみませんでした。今日はもうすぐに休まれて下さいね…あっ!シャワーを浴びてからですよ!」


「もうわーった!わーった!わかったよ!モブリットこそ、人生豊かに!滾る心の命ずるままに!!でも私の世話も忘れずに!宜しく頼むよ!!」



「!?!」



親指を立てた拳をモブリットの胸にドンと1発くらわすと、ハンジは扉まで見送り“おやすみ”と手を振ってからパタンと閉めた。



そして1人になった自室で、今度はベッドの下に隠してある秘蔵のウォッカを取り出しショットグラスに注ぐハンジ。


ソレをもって出窓に腰掛けると、月明かりを見ながらボンヤリと考える。





「ハハ…私はズルい奴だな〜もう傑作〜」




自分の言ってる事が余程おかしかったのか、クスクスと笑いが止まらない。



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