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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第46章 巣立つ想いと、残る想い






ーコンコンッー



「……!?」



本に集中し始めて30分がたった頃だろうか。

真夜中のハンジの部屋に、扉をノックをする乾いた音が響いた。

こんな時間に誰だろうか。

リヴァイか。



リヴァイは今までに何度かこの時間に自分の部屋を訪れた事がある。

そのためハンジはまたリヴァイがクレアとの事で何か話しに来たのかと思い、特に中から返事もせずに扉を開けた。


「……」


リヴァイの目線に合わせる様に、少し下を向いて扉を開けると、予想していた高さに、あの不機嫌な顔がない。

そこにいたのはリヴァイではなかった。



エルヴィンか……



「エルヴィン…?こんな時間に何の用?」


そう言いながら顔を上げると、そこに立っていたのは、エルヴィンでもなかった。











「……え?……モブリット?」









ハンジの部屋を訪れたのは、副官モブリット・バーナーだった。


「分隊長?ベッドに入らないでまだ本を読んでいたんですか?」


少し呆れたように問いかけるモブリット。


だがハンジはモブリットの来室に正直の所戸惑っていた。


昼も夜も休日も、2人になる事など珍しくなくむしろ日常だ。

それに、自分が燃料切れを起こして執務室で眠ってしまえば、ここに運んできてくれるはモブリットだ。



だがしかし、ハンジが起きているこの時間に、モブリットが1人でこの部屋に訪れた事は、今の今まで一度もなかったのだ。








ハンジはモブリットの気持ちを知っている。









知っているからこそ、気づかぬフリをし続けているのだ。
モブリットはいったいどんな要件でこの部屋に訪れたのだろうか。


ハンジはドアノブに手をかけたまま、言葉が出てこなかった。



「分隊長、よかったら少し飲みませんか?」


「えぇ?!」



モブリットは後ろに隠していた両手を前に出すと、右手にはハンジの大好きな酒瓶を、左手にはチーズやサラミ等のつまみの乗った小皿を持っていた。


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