第45章 プレゼントは奇行種
「クレア、俺の前で1人でしてみろ。」
「え?!……え?兵長…それは…どういう…」
「どうもこうもねぇ。お前が1人でしている所を見たいと言ったんだ。」
「そ、そんな事…急に言われても…」
そうだ、そんな事急に言われても無理だ。
クレアは1人でする行為、ようするに“自慰”というものをした経験がない。
いきなりしろと言われても無理な話だし、例えした事があったとしても、そんなのをリヴァイの前でするなんてとてもじゃないが考えられなかった。
「なんだよ、した事ないのか?」
「あ、あ、当たり前です!!」
だがリヴァイは少し考え込むと何かを思い出したように答える。
「そういえば前に約束していたよな…?」
「や、約束…ですか??」
クレアはまったく身に覚えが無い。
「なんだよ…忘れちまったのか?あれは…ハンジの誕生日の準備をしていた時だ。確かに約束したぞ。“今度、1人で発散させる方法を教えてやる”ってな。」
「…………!!」
「教えてやるから言う通りにしろ。」
「そ、そ、そんなの…できません…」
リヴァイの前で裸になるのだっていまだに恥ずかしいのだ。服を脱ぐ事ですら恥ずかしいのに、そんな行為など、できる筈などない。
しかし、リヴァイの方も、簡単に引く気は無さそうだ。
「今夜は、俺の望むがまま願いを叶えてくれるんじゃなかったのか?」
「そ、それは……」
自分の時間を差し出すと言ったが、望むがまま願いを叶えるとは言っていない。だが、リヴァイがそう解釈している以上、抵抗は無理そうだ。
「ほら…座れ。」
リヴァイはクレアを抱き起こし座らせると自分はベッドから降り、テーブルのイスに腰かけて脚を組んだ。
「1から教えてやるから安心しろ。」
「で、でも…」
「なんだよ…俺は約束を守る誠実な男だろ?」
「兵長……」
この台詞、以前にも聞いた覚えがあるが、いつだっただろうか……
いつだったかすぐに思い出す事はできなかったが、なんだか似たような状況だった事は確かだ。