第45章 プレゼントは奇行種
リヴァイの胸に心地よく香るキンモクセイの香り。
クレアを抱くときは、この香りと共にでなければリヴァイはもう満足できなかった。
今夜は急に泊まることになったからクレアは香油を持っていない。
となれば、自分が満足するまではシャワーを浴びさせるわけにはいかなかったのだ。
そして、今夜のクレアは自分の望むがままだ。
リヴァイは首筋に舌を這わせながらどんな風にクレアを堪能しようかじっくりと考える。
「んん……んあぁ……」
クレアは時間稼ぎという目的もあったが、ちゃんとシャワーを浴びたい理由もあったのだ。しかしそれはリヴァイによって見事に制止させられてしまった。
実のところ、客の熱気で溢れかえった飲み屋で思いのまま踊り続けたクレアは汗をかいていた。
外の冬風にあたり、すぐに汗は引いたが、一度は汗をかいた身体だ。
そんな状態でリヴァイと交わるのは女として恥ずかしく思うのは当たり前。
それに目の前にいるのは自他共に認める潔癖症の兵士長だ。リヴァイだけさっぱりと汗を流して自分だけそのままとはなんとも言い難い羞恥心にかられる。
だが、この状況は完全にリヴァイのペースだ。
でも、リヴァイは自分の纏うこのキンモクセイの香りを流して欲しくないと言った。
悔しいが、リヴァイがこの香りと共に自分を抱きたいと言うのであれば何も返すことができない。
「んん……あぁ……へいちょう……」
クレアはなす術なく首筋から与えられる刺激を受け止めるしかなかった。
「……!?」
しかし、リヴァイは何を思ったのか、急に愛撫を止めてしまった。
このままリヴァイと交わる展開になると思っていたクレアは、いきなりどうしたのかと頭は疑問符だらけだ。
もしかして…自分の汗の匂いで気分が殺(そ)がれたのだろうか……
気不味い沈黙がしばし続いたが、身体を起こしたリヴァイは、再びクレアを見下ろすと先程の不敵な笑みでとんでもない事を言い出した。