第45章 プレゼントは奇行種
「…それに、今夜のお前は俺の望むがままに願いを叶えてくれるんだろう?それを考えたら宿代くらい出さないとな…」
「…え?兵長…?」
ニッと口角を上げて悪い笑みを見せるリヴァイ。
確かに2人で過ごすために自身の時間を差し出したのは事実だが、“望むがままに願いを叶える”とまでは言った覚えはない。
なんだか嫌な予感が走る。
「先にシャワー浴びてくるから…俺が出てくるまでに覚悟しとけよ。」
クレアの額に軽くデコピンをすると、リヴァイはベッドを降りてシャワー室へと行ってしまった。
「…………」
いったいリヴァイは何をするつもりなのだろうか…
クレアはシャワーの流れる音を聞きながら天井を見つめる事しかできなかった。
数分後…
リヴァイがシャワーから出てくると、クレアは先程と変わらずベッドの上にいた。
しかし、リヴァイが出てきた事に気づくと、大慌ててベッドから降りようとした。
「あっ!!私も浴びてきます!!」
リヴァイが何を考えてるのかは分からなかったが、あの不敵な笑みはきっと自分には都合の悪い事に違いない。
たいした抵抗にはならないが、少しでも時間稼ぎをしようと試みたが、そんな小細工、リヴァイにはバレバレだった様でベッドから降りる前に制止されてしまった。
「お前はダメだ。」
「な、なんでですか…?」
「シャワー浴びるならやる事ヤッてからにしろ…」
「そ、それはいったいどういう……っ!!」
ベッドから降りようと抵抗するクレアを、リヴァイは押さえつけるように沈めると、耳元に唇を当てて囁いた。
「今シャワー浴びちまったらこの香り、流れちまうだろ?」
「……あぁん!!」
不意打ちの囁きに思わず身体が反応してしまった。
しかし、そんなのはお構いなしにリヴァイは首筋をペロリと舐めると、柔らかく香るキンモクセイの香りを胸一杯に吸い込んだ。