第7章 調査兵団とハンジ班と時々リヴァイ
ハンジが入ると2段ベッドの下の段でうずくまってたクレアがムクっと起き上がった。
大きな蒼い目は真っ赤に腫れて、シーツにシミをつくっていた。
ハンジはクレアの横に座ると、クレアの頭をグシャグシャと撫でた。
「やーーっと見つけた。探したんだよ…」
「あっ、あの…ハンジさん…私…」
──ギュッ!──
謝罪をしたかったが、まさかのハンジの抱擁に、遮られてしまった。
「クレアごめんね!クレアが悩んでたこと、ちゃんと気づいてあげられなかった!上官失格だ……!」
抱き締めるハンジの腕に力が入った。
抱き締めると、本当にクレアの身体は小さかった。
「い、いいえ!そんなことありません!私が1人で解決しようとしてできなくて、勝手に自滅しただけです……誰にも相談しなかった私の責任です。心配かけて本当にすみません……」
「いいや、それでも気づかなかったのは私の落ち度だ……クレア、さっきはキツイこと言って本当にごめんね!それと、1人で悩ませちゃって本当にごめん!」
「そ、そんなこと……ないです……うぅ…うぅ……」
クレアはハンジに抱き締められたまま、また泣き出してしまった。
「はぁーー!こんな可愛いクレアを泣かしちゃうなんて自分が情けない!今回はリヴァイにしてやられたよ!」
「…???」
ん?!リヴァイ兵長が?いったいどういうことだろうか?
クレアは顔を上げハンジと目を合わせる。
「クレアが馬のことでかなり悩んでるって気づいたのは、実はリヴァイなんだ。なんかリヴァイに考えがあるみたいだから、昼休憩終わったら彼の執務室にいってもらえるかな?私は午後の訓練の指揮があるから一緒にいれないんだけど、大丈夫?」
「兵長が、ですか?わかりました…行ってみます。」
「よかった。じゃあ、あとで行ってみてね。それと、1つお願い。もうどんなに小さな悩み事でも、1人で溜め込まないで!私もなるべく気付いてあげれるようにするけど…」
「はい……本当にご心配かけてすみませんでした…」
「約束だよ!本当になんでもだからね!恋の相談も、まずは私にしなくちゃダメだからね!」
ハンジはニカッと笑ってクレアの頭を撫でた。