第44章 その奇行種、舞姫
誕生日の誘いは無事にできたのだが、結局はあの後朝からスイッチの入ってしまったリヴァイによって、欲望のままにクレアは頂かれてしまい、非常に気怠い朝食となってしまった。
夜ならまだいい。
そのまま寝てしまえるのだから。
しかしさすがの奇行種クレアでも、通常訓練のある朝から求められるのは常人並みに困る展開であった。
「おーい!クレアー!おっはよう!」
ボンヤリしながら気怠く朝食をとっていると、クレアとは正反対に元気とやる気に漲った愛しき分隊長が手を振りながら近づいてきた。
「あ、ハンジさん、おはようございます!」
すぐに立ち上がり敬礼をすると、ちょうどハンジもモブリットと一緒に朝食にきたようだった。
「今日はナイスタイミングだったねクレア!一緒に食べよう。」
「はい、喜んで!」
ハンジ達と朝食で一緒になれるのは久しぶりだったクレアは元気いっぱいに返事をする。
3人で同時に着席すると、クレアは朝食を再開させたのだが、ハンジは先程のリヴァイの執務室での事を思い出すと、ニヤニヤと悪い笑みが止らなくなり、ついにはクレアに絡みだした。
「ねえ、クレアなんか疲れてない?どうしたの?」
「!?…グフッ!!!」
思ってもみなかった質問に口に入れたばかりのサツマイモの甘煮を喉に詰まらせてしまう。
「クレア?!大丈夫か?!」
「!!うぅ…!!」
ドンドンと胸を叩いてるクレアにモブリットが水の入ったグラスを手渡すと、勢い良く受け取り一気飲みほした。
「あ、ありがとうございます…モブリットさん…」
窒息しかけたクレアは息を上げてモブリットに礼を言うと、ハンジに告げる。
「ハ、ハンジさん…別に…疲れてなどいませんが…」
クレアは否定の言葉を口にしてるが、この様子ではハンジの質問を肯定しているのも同然だ。
ハンジはおかしくて仕方がなかった。