第7章 調査兵団とハンジ班と時々リヴァイ
「クレア、今朝から様子がおかしいと思ってたんだ。いったいどうしたの?」
「……ハンジさん…すみません…あの…」
ハンジに言いたくない訳ではなかったが、1人で抱え込んでいたことは意外にも大きな悩みで、相談するにも自分の中の整理がつかず、どう話してよいかがわからなかった。
「はぁ…クレア。今日はもう訓練は禁止だ。」
「……え?!」
「兵舎内では何をしててもかまわないから、立体機動装置の装着は全部解除だ。わかったね?」
「そ、そんな……」
「もう時期壁外調査の日程が決まる。気持ちに迷いや余計な不安があれば、怪我をするし、下手をすれば訓練中で死ぬこともある。クレア、今日は兵舎で待機だ。命令だよ。いいね?」
「……はい、すみませんでした。」
ハンジとモブリットは再び森の奥に消えて行った。
「分隊長、少し厳しすぎませんか?」
モブリットがハンジに問いかけると、ハンジは耐えきれず、飛びながら叫んだ。
「うぉぉぉぉぉぉ!クレアー!ごめんよー!わかってくれーーー!絶対に死なせたくないんだーー!」
先程の叱責は心からクレアを想ってのことだったのだろう。
この乱心ぶりをみれば一目瞭然だ。
「分隊長…優しすぎます…」
モブリットは少し安心したようだ。
森での訓練を一通り終えると、リヴァイがハンジを訪ねてきた。
「おい、クソメガネ。お前んとこの奇行種はどこだ…?」
「クレアか………何の用だ?クレアは今日はもう兵舎待機にした。訓練に集中しきれてなくて、さっき怪我をしそうになったからな…」
「そうか……なら都合がいい。午後はあいつを借りるぞ。兵舎待機の命令は破らせない。文句はねぇな。」
「え?!どういうこと?リヴァイ、何か知ってるの?知ってるなら教えてよ!」
「あぁ?!……まぁいい。俺も気づいたのはつい今朝のことだ。特別に教えてやるよ。」
リヴァイは簡単に今朝の出来事をハンジに話した。
「そんな…確かに苦戦はしてたけど、そこまで悩んでるとは思わなかった……」
「もともとストイックなアイツの事だ。1人で乗り切るつもりだったが、壁外調査も近くなってきて、いよいよプレッシャーで、どうにもならなくなった。そんなとこだろう。」