第7章 調査兵団とハンジ班と時々リヴァイ
─まだ7章ですがおまけストーリーです─
リヴァイの刺さるような視線から逃げるように出てきたミケとハンジはそれぞれの自室の前まできてピタリと止まった。
ミケの自室はリヴァイの2つ隣。
ハンジの自室はミケの向かいだ。
お互いが扉の前に立つと、背中合わせの様な状態になる。
「…リヴァイはお前んとこの新兵をやけに贔屓にしているな。」
「……やっぱりミケも、そう思う?」
「あいつが自室に女を入れてるのは初めて見たからな。まぁ、あのリヴァイが特例を認めた時点でなんかあるなとは思ったが…。」
「ハハハ、ミケもそう思ってた?でも当の本人はどこまで自覚してるかなー?自分がクレアを特別扱いしてるってとこまでは認めてるかな?」
「さぁ、どうだろうな。意外に全部無自覚かもしれないぞ…フッ。そうだとしたらやっかいだな。」
「なーんか、クレアも色恋沙汰には鈍感っぽいしなー。あの2人、うまくいけばいいけど。シシシっ!」
「何かとばっちりをくらわなきゃいいがな…」
「アハハ、じゃあ、ミケ。今夜はクレアをネタに1人で慰める様なことはしない方がいいぞ〜〜。夢でリヴァイに削がれるぞ〜〜〜!」
寡黙でカッコイイと、女兵士から人気のミケだけど、こういうヤツは大抵頭の中はエロい事だらけだ。
リヴァイだって、そんなミケにはクレアの声を聞かれたくなかったはずだ。
ミケはミケで、クレアのあんなに色っぽい声を聞いてしまっては、今夜のお楽しみにしないわけがない。でもあの勘の鋭いリヴァイのことだ。
生霊の1つや2つ飛ばしかねない。
ハンジは笑いながら自室に入って行った。
「……そうだな。」
ハンジには聞こえていないだろうが、とりあえず返事をしておいた。
ミケは、ハンジに完全なる図星をつかれ、一瞬沈黙してしまった。
あの艶めいた色っぽい声をネタにして、お楽しみをしようとしていたのだが、確かにリヴァイに夢で削がれでもしたら二度と目覚める気がしない。
大きくため息をつくと、ミケはバタンッとベッドに倒れ込んだ。
すっかりその気だったため、ミケの下半身は中途半端に熱をもってしまっていた。
さてどうするか………
今夜ミケの右手の行方は本人しか知らない………
──おまけストーリーfin──