第42章 鎮魂花(ちんこんか)に想いを乗せて
数分後、戻ってきたハンジは両手に色んな物を持って戻ってきた。
「おかえりなさい、ハンジさん…」
「クレア、まずはハイ、これ。」
差し出されたのは薬が入っていると思われる白い包にグラスに入った水。
「あ、あのこれ…」
「昨夜、泣き過ぎて頭痛いんじゃない?医務室から薬貰ってきた。」
「ハ、ハンジさん…」
正直の所、本当に頭が痛かった。
座っているのもキツかったクレアはひとまず受け取り、グラスに入っていた水で薬を流し込んだ。
「飲んだね!それと、これ!!」
「これは…」
受け取った物は氷水で冷やしたタオルだった。
「ここ。」
ハンジはクレアの目元をトントンと指で叩いた。
「あ……」
「可愛い顔が台無し、コレで少しは腫れひくと思うから。」
「す、すみません……」
「それと、これもね!」
ハンジはリヴァイから預かっていたこの部屋のカギをクレアの首にかけて返した。
「あれ?カギ…ですか?」
クレアは目元にタオルをあてたままハンジに問いかけた。
「実はさ、昨日私もクレアの事が心配でこの部屋に来ていたんだ。」
「…え?!」
「でも、私がここに着いた時には先にリヴァイが来ててさ…中に入りたくても入れなかったんだ。」
「………」
「で、クレアが寝ちゃった後、リヴァイがカギをかけてでていこうとした所に私とはちあったワケ。リヴァイ、クレアが寝ちゃったからエルドの部屋に行こうとしてたみたいだけどカギを開けっ放しにできないでしょ?だからリヴァイがカギを一晩預かるつもりでいたらしいけど、私がいたからその役目は自動的に私になったってわけ。」
「そ、そうだったんですね…」
「だから勝手に泊まらせてもらっちゃったよ。驚かせてごめんね。それと…」
「…え?」
「隣にいたのがリヴァイじゃなくてごめんね!!」
「キャッ!!」
ハンジはウインクをすると、クレアの頭をクシャクシャっと撫でた。