第41章 奇行種の瞳が映したモノ
──────────────
「う!……わぁ!!!」
──ザザザザァーーーー──
「ハンジさん!!」 「分隊長!!」
壁外調査にでて、だいぶ走った。エルヴィンの信煙弾に従い馬を走らせていたが、とうとう索敵もれの巨人に出くわしたしまったハンジ班。
15m級が2体で動きも早く中々やっかいな相手になりそうだ。
ハンジはクレアとモブリットで1体の討伐命令を下すと、自身は1人で15m級に向かって行ってしまった。
クレアはその命令に違和感を感じたが、そんな事を問答している暇はない。
いつもの様に討伐にはいるが、背後から聞き慣れない声が聞こえたため、クレアもモブリットも一瞬にして緊張が走った。
それと同時に乾いた音と砂煙が上がる。
「いっててて…アハハ、ごめんね!!バランスくずしちゃった!」
振り返れば乾燥した地面に横たわっているハンジの姿。
討伐には成功したが、着地に失敗したようだ。
「もう!ハンジさん!!」
「え?!クレア…?」
クレアとモブリットも討伐を終えてハンジに駆け寄るが、珍しくクレアが声を荒げた。
「ハンジさん!びっくりさせないで下さい!今のは私が1人で討伐に入るべきでした!!いつもそうしてるじゃないですか?!」
「い、いや、いつもクレアにばっかり討伐を任せてしまってるから…たまには私も上官としてしっかりしないとと思ってね…」
珍しく声を荒げるクレアにハンジは苦笑いで頭をかいた。
「そんな事考えないで下さい!私はハンジさんの様な指揮能力も判断力も経験値もありません。ハンジさんに何かあったら調査兵団は大打撃を受けます!!なので危険な討伐は全て“奇行種”の私に任せてくれないと困ります。じゃないと、私…私…」
声を荒げて怒り出したかと思ったら今度は目に涙を溜めて震えだしてしまった。
「えぇ?!クレア?!」
「私、ハンジさんが大怪我したかもって思っちゃったんです!!もう!!」
クレアは目元を真っ赤にしながらハンジにぶつかる様に抱きついた。