第41章 奇行種の瞳が映したモノ
「で、では今夜は…お世話になりたいと思います…」
「なんだよ、そんな挑発する様な言い方するなよ。」
俯いてボソボソと答えるクレアにリヴァイは口角を上げて満足そうだ。
「そ、そんな、挑発なんてしてません!」
「あぁ、わかった、ちゃんと“世話”してやるからそう噛み付くな…」
そう言うと、リヴァイはクレアの手を取り、再び引きずる様に自室まで連れて行った。
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──翌朝──
早起きしたクレアはリヴァイの部屋をでると、足早に自室へと向かう。
リヴァイの仕事自体はそこまで多くはないが、着替えに髪の毛の結い上げなど、やる事があるのだ。
日が昇り始めたばかりの薄暗い廊下を歩いて自室まで向かうと、ちょうど自分の部屋の扉の前にはフレイアが立っていた。
「フレイア…?」
小さく声をかけて扉までいくと、やはりフレイアだ。
カギを出して中に入ろうとしていた。
「あれ?クレア?昨日は部屋に戻らなかったの?」
「う、うん…フレイアも、戻らなかったの?」
お互いがお互いに当たり前の質問をしたまでなのだが、その質問の裏に隠れていた意味を読み取ると、2人は同時に顔を赤くした。
「えと、その…クレアはずっと兵長と一緒にいたの?」
「う…うん…そ、そういうフレイアこそ…エルドさんとずっと一緒にいたの?」
「そ、そうだよ……あー!も、もう!!」
顔を真っ赤にしたフレイアは部屋のカギを開けると、クレアの手を掴んで勢いよく中に入り、2人でベッドに飛び込んだ。
「やだ、もう!2人して朝帰りの場面に出くわすなんて…恥ずかしすぎる!」
「そ、それは私だって…同じだよ!」
お互いの恋人については十分すぎる程知っているため、昨夜帰らなかったとなると、どこで何をしていたなんか明白であり、どうにもこうにも恥ずかしくなってしまったのだ。
「でも…フレイアはどこにいたの?確かエルドさんって同室の人、いたよね?」
「同室の人は、1人で部屋を使っている人の所に泊まってもらったの…」
そこでまた目が合うと、2人でワーワーとのたうち回った。