第41章 奇行種の瞳が映したモノ
「わ、す、凄いです。兵長の編み込みも上手でしたが、やはりダスゲニーの艶々の青毛にこの馬体の大きさだと本当に立派ですね!!」
「まぁコイツはもともと内地に行って貴族や王族の馬車を引くような仕事をする予定だったからな。それなりの器量は持ってる。」
すると、ダスゲニーも得意満面に前掻きをして嘶(いなな)くと自身の仕上がりをアピールしてみせた。
そして気づけば日は沈み、あたりは薄っすらと暗くなりだしている。
「暗くなってきたな、兵舎に戻るか。」
「はい!」
2頭を馬房に戻して厩舎を出ると、兵舎に戻るリヴァイとクレア。
クレアが敬礼をして部屋に戻ろうとすると、その手をリヴァイによって掴まれてしまった。
「……兵長?」
「今夜は、俺の部屋へ来いよ。」
あまりにもストレートな誘いにクレアの頬はたちどころに赤くなる。
「え、えと…その…」
「今夜はハンジの仕事も休みだろ?」
「そ、そうですが…」
「なら問題ないな。」
リヴァイはクレアの手をそのまま引くと、ズルズルと引きずる様に自室まで引っ張っていく。
「あ、ま、待ってください!!私何も用意してませんし、それにフレイアにも何も言ってないので…」
「どうせ明日も早起きするんだろ?着替えは明日の朝部屋に戻ってすればいい。シャワーの後は適当に俺の服を着てろ。それにフレイアもどうせエルドと遅くまで一緒だ。いっそ部屋にいない方が親切ってもんじゃないのか?」
「え?えぇ?!」
はっきりと返事をしないクレアに焦れたリヴァイは、ジリジリと壁の方まで追い詰めると至近距離で目を合わせた。
「なんだよ…お前は俺と2人きりになりたくないのか?」
「………う…」
リヴァイの個人的な見解を多分に含んでる様に思われるが、熱のこもった視線を向けられてしまえばもう選択肢は1つしかない。