第39章 嗚呼、我が愛しき分隊長
「これは本当にクレアが作ったのか?」
「よくあの短時間で作ったな。」
「調理場の職員に引き抜かれたら大変だな。」
クレアの料理は見た目も味も全てが完璧で、集まった全員の胃袋を存分に満足させていった。
それに合わせてモブリットが用意した高価な酒が入れば自然と会話は弾む。
しかし……
「ねぇねぇクレア〜!コレってなにー?あけていいの〜?」
ハンジが指をさしたもの。
それはまだベールを取ってない大皿だった。
その瞬間にハンジとクレア以外の人間が凍りつく。
「あ、気づきましたかハンジさん!今年もハンジさんのために腕を奮いましたよ!!」
「えー?それって、もしかして?もしかするの?!」
「そうです。せっかくなのでそろそろオープンしましょうか!」
「うん!!!!!するよ!するする!!早く見たい!」
はりきって返事をしたのはハンジのみだったが、それはハンジのために作ったもの。
クレアはハンジの返事さえ聞ければ十分だった。
「ではいきますよ!!さーん!にー!いちー!オープン!」
「「「「………………」」」」
「す、す、すんげーーーー!!昨年よりレベルアップしてない!?すごすぎるー!」
「嬉しいです!!今回は1体しか作らなかったので、凝りに凝ってみました!題して“奇行種と戦う凛々しいハンジさん”です!!」
ドヤ顔全開で説明をしてるが、興奮してるのはハンジのみ。
その理由は、昨年より巨人の表情や動きにリアリティが増したことと、さらには、立体機動を使って討伐をしていると思われるハンジの模型もあった。
ブレードを振り上げ立体機動で飛び上がるハンジ。
まず冷静な突っ込みを入れたのはリヴァイだった。
「おい奇行種…このクソメガネと立体機動はどうやって作ったんだ……」
「兵長!!よくぞ聞いてくれました!!ハンジさんは巨人と同様さつまいもとかぼちゃでできていますが、立体機動にブレード、ワイヤーは飴細工で作りました!!」
「はぁ?!飴細工?!」
えっへんと胸を張って答えたクレアにリヴァイは思わず聞き返してしまった。