第39章 嗚呼、我が愛しき分隊長
走ってハンジの執務室に着くと、ハンジとモブリットは“いつも”の様に仕事をしていた。
「あ、クレアお疲れ〜!!私達もちょっと前にきたところだよ。」
そう言って、いつもの笑顔を見せるハンジ。
クレアとモブリットの計画には気づいてないようだ。
すると、クレアは持っていた布をポケットからだすと、素早く後ろからハンジの顔に目隠しをし、キュッときつく結んだ。
「ハンジさん!ちょっと失礼しますね!!」
「え!!わっ!わっ!何!いったいどうしたの?」
「それは着いてからのお楽しみです!」
「えーー?!いきなりなに?なんのプレイ?私どうなっちゃうの?」
マニュアル通りに驚いてはくれてるが、力ずくで目隠しを取ろうとしないあたり、この状況を楽しんでくれてる様だ。
クレアはモブリットに目配せをすると、用意していた酒を持ち、ハンジの自室に向かう準備を整えた。
「さぁ!行きましょう!ハンジさん!」
「え?行くってどこに?」
「それは秘密です。」
「なんだよー!目隠しプレイの次は秘密プレイかよー!」
「……一々プレイと仰るのはやめてください!!はいっ!!ここで3回まわってくださーい!」
「ひぇー!目が回る〜。」
何度も何度も回りながら手を引かれた為、ハンジは自室の前に着いてもどこに連れてこられたのかまったく分からなかった。
「さぁ、扉をあけますよ。」
「え?!う、うん…」
ーカチャー
「ハッ、なんだよクソメガネ、そのふざけた格好は?」
「ここが何処だか分かってないようだな。」
「見たら度肝を抜くだろうな。」
待っていた幹部3人は目隠しをして現れたハンジの姿を見て思い思いの感想を述べていった。
「え?その声は…リヴァイにエルヴィンにミケ…?はぁ?私本当に何処に連れてこられたの?」
「ハンジさん、もう目隠し取ってもいいですよ。」
クレアが優しく囁くと、ハンジは恐る恐るその目隠しを取った。