第39章 嗚呼、我が愛しき分隊長
キレイに拭かれたテーブルの上に4人で手分けをしながら料理を並べていると、リヴァイがクレアに声をかけた。
「おい…本当にここがクソメガネの部屋なのかいまだに信じられねぇ…変な虫がわいてたりはしなかったのか?」
「さ、さすがにそこまでではなかったですよ!」
今から皆で食事をするのだ。
ゴキ○リの死骸とカマキリの事は黙っておこう。
別にわいていた訳ではないので嘘もついていない。
「そうか…それならいい…」
「これで全部か?本当に美味そうだな…」
ひと通り並べ終わると、テーブルの上には油で揚げたカリカリベーコンののったサラダや、生クリームとバターをふんだんに使った見るからにクリーミーなマッシュポテト、干し肉にクレア特製のソースがかかったものに、野菜チップスなど彩り豊かなご馳走達が並べられ、幹部3人の胃袋をくすぐった。
「お手伝いありがとうございます!お料理はこれで全部です。あとはコレを真ん中に……」
カートの1番の下に置いてあった大きめの皿をクレアが持ってくると、これには個別に布がかけられていた。
「おい奇行種、なんでこれだけ別に布がかぶせてあるんだ……まさかとは思うが…」
「こ、これは敬愛するハンジさんへのプレゼントなので、ハンジさんがいらしてからベールをオープンしたいと思います!」
もう聞かなくても3人には分かっていた。
この布の下には昨年、公に捧げているこの心臓が止まってしまうかと思った程の代物が入っていたが、今年は1体なのだからハンジが1人で食べるだろう。
だが、今年はいったいどれ程の仕上り具合なのかと考えると少し手のひらが汗ばんだのは言うまでもない。
「では、私は今からハンジさんを呼んできますので、コレを手に持ってお待ちください!!」
そう言うと、クレアは3人にクラッカーと思われる筒状の物を渡すと、敬礼をしてからハンジの部屋を出ていった。