第39章 嗚呼、我が愛しき分隊長
そして、訓練が終われば急いで風呂と食事を済ませて誕生日パーティーの料理の調理が開始だ。
「今年も頑張るねー!クレアちゃん!」
「分隊長も幸せものだ。」
「今年はあの巨人は作るのかい?」
食堂の職員はそれぞれにクレアの調理場入りを歓迎し、その腕前に皆興味津々だった。
普段は台所に立つこともせずに立体機動で飛びまわってるクレアだったが、その包丁さばき、料理のアイデア、盛り付け、その全てにおいて調理場の職員を感嘆させた。
「クレア〜そんな腕前持ってるなら調理場に転職してくれよ〜」
クレアの腕前を見てそんな事を言い出すやつもいた。
「本当ですか?ではもし調査兵をクビになったらここで雇ってもらえるんですね。」
こんな会話、以前もどこかでしたことがあるなとクレアはふと思い出す。
あれは確か医務室だっただろうか。
どうやらクレアには調査兵団をクビになっても職に困ることはなさそうだ。
「やった!!これで出来上がり!!今年もうまくいったわ!!!」
クレアは小さくガッツポーズをすると、そのでき上がった料理の皿を次々とカートに乗せ始めた。
それと同時に時計を見れば、そろそろリヴァイ達もやってくる時間だ。
クレアは調理場の職員達に礼を言うと足早にハンジの自室へと向かった。
「あっ!団長!!」
ハンジの部屋の前に着くと同時にエルヴィンと合流した。
「クレア、だいぶ張り切ったみたいだな。そのベールの下の料理が今から楽しみだ。」
「ありがとうございます!無事にお部屋も片付きましたのでご安心を!さ、入りましょう。」
「おい奇行種、今年は本当に巨人の群れは作ってないだろうな?」
「ヒッ!!」
ドスのきいた低い声に後ろから声をかけられクレアは思わず小さな悲鳴を上げた。
「へ、兵長!ミケさん!」
振り向いてみたらそこにはリヴァイとミケ。
早くもゲストは揃った様だ。