第39章 嗚呼、我が愛しき分隊長
「………リ、リヴァイ兵長です……」
「あ?!聞こえねぇな……もう1回だ。ちゃんと言え。」
「えぇ?!」
確かに不用意に異性の手を握ってしまうなど、失態を犯したのはクレアだ。
だからといって今日のリヴァイはおかしい。
いつもの意地悪の次元を越えているような気がするが、そう思った所でもうどうすることもできない。
クレアは観念するしかなかった。
「リ、リヴァイ兵長です!!」
「……聞こえねぇな……」
「リヴァイ兵長です………!!!」
「もう一度言ってみろ…」
「リヴァイ兵長です…!!!」
「ほう…そうか……そのリヴァイってヤツはお前のなんなんだ。」
「………リ、リヴァイ兵長は…私のこ、こ、恋人です……」
「そいつのこと…好きなのか?」
「………う……す、好き……です……」
「どれくらい好きなんだ?」
「えぇ?そんな……ほ、本当に…大好きです…」
この拷問の様な尋問はいつまで続くのか。
そんなに何度も聞かないで欲しい。
リヴァイの事が好きだと言えば言うほど、身体に火がついた様な熱を帯びるのを感じる。
下半身の感覚もなんだかおかしい……
しかし、クレアは赤く上気した顔を隠す事もできず、視線をそらすこともできず質問に答えるしかなかった。
「それはミケよりもか?」
「はい。」
「それはエルヴィンよりもか?」
「もちろんです…」
「それはあのアンドレよりもか?」
「当たり前です…」
「そうか……了解した。」
「…………え?!」
リヴァイはやっと終わりにしてくれたのだろうか?
「もう不用意に男の手なんか握るんじゃないぞ。こっちの身にもなってみろ…」
「は、はい…」
すると、リヴァイはクレアに深い口付けを落とすと、はだけさせたシャツのボタンをしめてやった。
「そろそろクソメガネの所に行く時間だろ?俺の気は済んだからもう行け。」
リヴァイはそう言って拘束していた手首を解放してやろうと思ったその時だった。