第39章 嗚呼、我が愛しき分隊長
「逆だ!お前の言う“子供っぽい容姿”と、“無自覚な行動”は男をバカみてぇに勘違いさせるんだ。よく覚えておけ。」
「わ、分かりました……」
クレアとて、無自覚な行動などしたくはないが、どうしても嬉しくなったりすると気持ちを抑えることができなくなってしまう。
訓練兵団にいた頃の根暗だった自分が嘘みたいに感じる程だ。
「それと最後、ヤリたい事もある。」
「うっ……兵長?!それは…いったい……」
「聞きたいか?……“躾”だ……」
ニヤリと口角を上げたリヴァイはクラバットを外すとクレアの両手首とベッドのふちを結んで動けぬよう固定をしてしまった。
「え?兵長……コレは……いったい……」
「あ?聞こえなかったのか?“躾”と言ったんだ。無自覚に男の欲望を揺さぶるイケナイ奇行種にはきちんと“躾”が必要だろ?」
「な、何を言っているのか…分かりません……」
身体の自由を奪われたクレアを見ながらリヴァイは実に愉しそうに兵服のボタンを外すと、胸元をはだけさせ、ある質問をした。
「お前の想う男とはいったい誰だ?」
「え??」
「お前が想っている男は誰だと聞いたんだ。名を言え。」
「そ…それは……」
そんな分かりきったことを何故今?
クレアの心臓はバクバクと煩く拍動するが、リヴァイは、いたって涼しい顔だ。
クレアの顎を掴み視線を逸らせないように見つめている。
「そんな分かりきったこと…意地悪です…兵長に…決まってるじゃないですか……」
やっとの思いで答えるがリヴァイは眉間にシワを寄せる。
「質問には正確に答えろ。俺は名を言えと言ったんだ。」
「………うぅっ。」
見下された視線とサディスティックな口調に思わず全身がカァッと熱くなるのを感じる。
それと同時に何故かズクンと疼いた自身の最奥。
ワケが分からないままクレアは絞り出すような声でその名を答えた。