第39章 嗚呼、我が愛しき分隊長
「キャッ!キャア!!」
リヴァイは自室までたどり着くと、思い切りベッドに押し倒し、クレアを組み敷いた。
「へ、兵長?!」
もともと自分はリヴァイに会いに行く予定だったのだ。リヴァイの方からやってきてくれて嬉しかったというのに、何故こんなに不機嫌なのだろうか。
クレアはリヴァイの不機嫌の理由がわからず頭の中は疑問符だらけだった。
「おい奇行種クレア、まずはお前に聞きたい事がある…」
「な…なんでしょうか……」
「ミケと何していたんだ。短的に且つ偽りなく話せ。」
「な、何をしていたもなにも、私は兵長の執務室に伺う予定だったんです。」
「それはさっき聞いた。」
「……ミ、ミケさんには、ハンジさんのお誕生日パーティーにお客さんとして招待をしていただけです。エルヴィン団長にお声をかけた後、兵長にもお話しようと執務室に向かったのですが、偶然にもミケさんに会えたので先にお話していたまでです。」
「あのクソメガネの誕生日パーティーだと?」
「は、はい……」
「クソメガネの誕生日パーティーと、ミケと手を握り合うのと何の関係があるんだ?俺はそこが聞きてぇんだよ。」
手を握る?
そこでクレアはようやくリヴァイの不機嫌の理由が分かった様な気がした。
無意識とはいえ、想像以上に優しかったミケに自分はつい嬉しくなって手を握りながら礼を言ってしまったのだ。
よく見れば嫉妬のオーラをメラメラと放った鋭い視線がクレアを射抜いている。
このままリヴァイの視線で射殺されてしまいそうだ。
「え…えっと、やましい事があって握りあっていたのでは断じてありません!!!理由は…コレです……」
すると、クレアは握ったままでいた右手の拳をひらいてリヴァイに見せてやった。
「なんだよ、この小銭は。」
「こ、これはミケさんから頂いたパーティーの準備金です。」
「はぁ?!!」
リヴァイはさらに眉間のシワを深くさせクレアを見下ろした。