第39章 嗚呼、我が愛しき分隊長
「??クレア、どうした?1人か?」
ミケもクレアが話しかけてきた事に少し驚いたのだろう。
細い切れ長の目を見開いて、クレアを真っ直ぐと見つめた。
「は、はい……あのですね……」
もちろんクレアはハンジの誕生日パーティーの話をしたかったのだが、改めて視線を合わせようとすると、その身長の高さに思わず口がポカンとあいてしまった。
「(う……ミケさん……近くで見るとやっぱりおっきい……)」
無理もない。
ミケは196センチもある長身兵士だ。
150センチあるかどうかも不明なクレアと向かい合ってしまえば、その身長差はクレアからしてみれば2m級の巨人の様に感じることだろう。
クレアはすっかりと話そうと思っていた事を忘れてしまった。
「………………………」
ミケもミケで小さなクレアが長身の自分と目を合わせようとする仕草を見れば見る程目の前の存在の小ささを実感した。
長身の兵士はそこそこいるが、おそらく兵団内でミケより背の高い兵士はいないだろう。
しかし、逆を言ってしまえば、クレアより背の低い兵士もこの兵団内にはいない。
戸惑いながら少し背伸びをしようとしてる姿に、思わず男心がくすぐられる。
それと同時に思い出してしまうのはクレアが入団したての時にリヴァイの部屋の前で聞いてしまったあの甘美な声。
今でこそクレアはよく笑いよく話すようになったが、あの時はまだ入団したてで、クレアはハンジの前以外では無表情な兵士だった。
そのためリヴァイの部屋の前で艶っぽい声を聞かされた時は思わず下半身を疼かせてしまったという苦い過去があったのだ。
だが、そんなクレアも今はリヴァイと恋仲だ。
当然するコトはしているだろう。
こんなビスクドールの様な幼い顔立ちを快感に喘ぐ表情に変え、硝子玉みたいな大きな蒼い瞳に涙をいっぱいためながらリヴァイに善がるクレアの姿はどれだけ男の欲望を揺さぶるのだろうか。
そんな事を考えだしたら変な妄想が止まらなくなり、不覚にも下半身に熱が集中しだしてしまった。