第7章 調査兵団とハンジ班と時々リヴァイ
「…………チッ…」
リヴァイは少し苛立っていた。
図星をつかれたこともそうだ。
だが、エルヴィン自身もクレアを気に入っている。その事に気づいてしまった。
それがなぜだか、リヴァイを無性に苛立たせた。
午前の訓練に少し顔を出そうかとも思ったが、気分がまったくのらなかったリヴァイは、昼休みまでの間執務室で時間を潰すことにした。
一方、クレアを含む予備馬当番の新兵達は、一歩も動く事ができなくなっていた。
現時点で、馬房掃除のため腕と背筋が痛み、長時間の騎乗で太腿の内側と腰が激痛だ。
今こんな、状態なのだ。
明日起こるであろう筋肉痛の事を考えたら、怖くて今夜は眠れなそうだ。
「おーい!みんなよく頑張ったね!最初は辛いけど、必ず慣れるから大丈夫!さぁ昼休み!午後も頑張ろう!」
ハンジの言葉にまた新兵たちは凍りついた。
そう、午後も訓練があるのだ。皆この状態だ…生き残れる自信はなかった。
──夕刻──
クレアは気づくと食堂に座っていた。
体中の激痛と疲労で、午後の訓練をどうやって乗り切って、どうやってここまできたのか覚えていない。
クレアはあまり食欲がわかず、半分程で夕食を終わりにすると、自室に戻った。
フレイアはまだ戻ってなかった。まだゆっくりと夕食を食べているのだろう。
クタクタになったクレアは椅子に座ると、少し目を閉じて仮眠をした。
目を開けると7時少し前、はっと気づき風呂の用意と着替えをまとめると、ハンジの執務室まで、気持ちだけだが、急いだ。
急ぎたくても、内腿に激痛が走り、走れなかったのだ。
やっとの事でハンジの執務室に到着する。
ノックをして入ると、ハンジは、クレアの顔を見るなり、突然大笑いをした。
「アハハハ!アハハハ!いぃねぇー!クレアのその顔!本当に疲れ果ててるね!」
「分隊長!言い過ぎです!さすがにクレアがかわいそうです!」
「アハハハ!ごめんごめん!あまりにもかわいくて!」
「ハ、ハンジさーーん……リヴァイ兵長もハンジさんも、こうなる事わかってたんですねー…うぅ…」
クレアはガクッと肩を落とした。