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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第38章 “キミ”という存在





ハンジが燃料切れを起こすと考えてしまうのは、娼館という閉鎖された空間で働いている彼女の事。


雪の季節の寒い夜に出会った彼女とは、その後も何度か会っていた。
それは決まってハンジが燃料切れを起こす日の夜だった。逆を言えばその時くらいしかモブリットに自由な時間は無いためそうなるのも至極当然だ。


モブリットは日付をまたぐ前にハンジが燃料切れを起こした時は、彼女に会いに行くようにしていた。


ハンジに対する積もる慕情を、彼女によって慰められてからは、気持ちが吹っ切れたのか、ツキモノが落ちたかのように悶々とした気持ちは落ち着いていた。

それは全て彼女のおかげだろう。



「でかけるか……」



今夜も運良く12時前。



モブリットは私服に着替えると、少し足早に彼女の働く店まで向かっていった。








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「…仕立ての注文かい?」



「…滾る心の命ずるままに…」



「……タリア!!…お客様だ!!」



店での合言葉を言えば、店の主が手元のベルを鳴らす。そしてカーテンで隠れた隠し扉が開くと目的の彼女が現れる。



「いらっしゃいませ……って、モブリットじゃない!!久しぶりね!!最近なかなか顔を見せてくれないから心配してたのよ!」



モブリットが会おうと思っていた女、タリアはモブリットの顔を見るとパッと明るい笑顔になり飛びつくように抱きついてきた。


「久しぶりだなタリア……なかなか顔を出せずにすまなかった。」



すると、カウンターに座っていた店の主がワザとらしく咳払いをする。


「タリア、お客様に無礼ではないか。もっと言葉遣いに気をつけなさい。」


「あら、ママいいのよ。モブリットとは敬語を使わない約束なの。さぁ行きましょう、モブリット。」


店の主はタリアの態度にフンと鼻を鳴らすとそっぽを向いてしまう。



その隙に2人は店の中へと入って行った。



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