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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第37章 今生きて、此処にいる







「ご…ごめん…着替えの最中に勝手に扉あけて……」



「え?あ!あぁ!!すみません!」



アンドレはクローゼットの中から適当にシャツをひっぱり出して羽織ると、ボタンもとめずにクレアに声をかけた。



「すみません…俺に用事ですか…?」



「う、うん!医務室の先生から…薬を預かってきたの。」



「先生から薬…ですか?と、とにかく入って下さい。」



「あ、ありがとう。」



アンドレはイスと差し出すと、自分はベッドに腰掛けて向かい合わせに座った。



「ごめんね…急に訪ねてきて…もしかして眠れない?」



乱雑にシャツを羽織ってベッドに腰かけているアンドレの顔色は悪く、疲労がうかがえる。

クレアは医師から預かってきた薬のことと、明日の事を丁寧に説明してやった。



「薬…助かりました…眠るとすぐに悪夢で目が覚めてしまっていたので…本当に…ありがとうございます。」



「アンドレ……」



アンドレの同室の新兵は死亡したとクレアは聞かされていた。

体格のいい男兵士が2人で使うには少し狭い部屋だ。

しかし、相方を亡くしたこの部屋は、なんだか不気味な程に広く感じた。



きっとアンドレも同じ気持ちでいるのではないか。
そう考えると、クレアの胸はギュっと痛んだ。



「アンドレ…大丈夫?」


顔色の優れないアンドレを心配し、クレアは顔をのぞき込む。


「クレアさん……俺…俺……」


こんな情けない姿、誰にも見せたくはないが、どこかに吐き出さなければ自滅してしまいそうだ。


アンドレは壁外調査での自分の失態を思い出すと、感情が高ぶってきてしまい、思わず声を荒げてしまった。



「俺……生きて帰ってこれたけど、何にもできませんでした!!!目の前で先輩達が食われて、メグも食われて…班長も食われて…!それでも俺…なんにも……!」



「お、落ち着いてアンドレ……」


落ち着かせようとアンドレノ肩に手を置いたが、振り払われてしまう。



「もう!自分が情けなくて悔しくて!消えてなくなりたいです…」



「そ、そんなこと言わないで……」


この試練を乗り越えなければ、調査兵として続けて行くのは難しい。クレアは必死にアンドレを正気に戻そうとした。







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