第37章 今生きて、此処にいる
「と、とにかく今日は早めにお休みになってくださいね。お願いですよ?!」
「あぁ、言われた通りにしたいが、やることが山積みでそうもいかねぇ。まぁそこそこで切り上げるから心配するな。」
「わ、わかりました……」
渋々頷くと、リヴァイは何かを思い出したかの様に口を開く。
「悪いが、出ていく前に紅茶を頼めないか?」
「紅茶ですか?…構いませんが……」
「お前の淹れる紅茶がないとなかなかはかどらないからな…」
「……………」
そうまで言われてしまえば断る理由もない。
クレアはいつもより丁寧に紅茶を淹れてリヴァイに出すと、医療道具を片付けて医務室へと向かった。
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「先生?いらっしゃいますか?クレアです。」
「あぁ、クレアくんか。リヴァイ兵長のケガの具合は大丈夫だったかい?」
ノックをして医務室に入ると、医師がなにやらアレコレと準備をしていた。
様子からするとまだ忙しそうだ。
「は、はい。少し気分を悪くされていたようですが、点滴を打ったらだいぶ回復しました。」
「そうかい、それならよかった。」
「先生?まだお忙しいですか?軽症兵士の処置も終わってますし、私お手伝いできますが…」
「クレアくんも壁外調査に出ていて疲れているのにすまないね……悪いがまだ治療の経過が気になる兵士が何名かいるんだ。手伝いを頼めるかい?」
「もちろんです!!」
クレアも自分の手袋やマスクなど、衛生用品をまとめると、すぐに重症兵士が集められている講堂へと向かった。
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「クレアくんがいてくれて助かったよ。本当に疲れてるところすまなかったね。」
「そんな…とんでもないです!私はまだまだ2年目の下っ端兵士ですからこれくらい当然です……先生の方が重症兵士の治療にかかりきりでお疲れですよね?ここは私が片付けますので先生は少し休んで下さい。」
「ははは、そうかい。ではもう1つだけ頼まれてくれるかな?ここは私が片付けよう。」
講堂から再び医務室に戻ってくると、クレアは医師からもう1つ手伝いを頼まれた。