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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第37章 今生きて、此処にいる




縫合は15分ほどであっさりと終わってしまった。

あとは患部に薬を塗りガーゼで覆って終了なのだが、なんだか様子がおかしいのに気づく。




「兵長!?もう終わりましたよ?兵長?」




嘘……まさか…寝ちゃった?!




前髪をよけて目元を見ると瞼はしっかりと閉じていて、深い寝息をたてていた。




人類最強のリヴァイといえど、血を流し過ぎたのだ。

この傷はあれだけ自分に構うなと言っていた新兵の命を救うために負った傷である。


どれだけ悪態をつこうと、こうして優しさが滲み出てしまう所、クレアは大好きだった。


なんだかんだ言ってもリヴァイは共に戦う兵士を大切にしている。

そんな所に男も女も、性別関係なく惹きつけられるのだろう。



兵団の皆がリヴァイの背中を追う理由がよくわかる。



クレアだってその1人だ。









点滴の残りを見ればあと30分程だろうか。



「兵長……ご無事でなによりです。お疲れ様でした。」



クレアはリヴァイの黒い髪をひと撫ですると、寝息をたてながら眠る姿を静かに見守った。









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うっすらとキンモクセイが香る柔らかな心地の中でリヴァイは目を覚ました。



「……………」



そうだった。


ケガの治療を理由にクレアに膝枕をしてもらっていた事をボンヤリと思い出す。


クレアの膝に頭を預けるのは初めてではなかったが、前回はハンジとのテキーラ勝負のおかげでせっかくの膝枕の感触を楽しむ事もできずに記憶を飛ばしていたのだ。


だが、今回はそんなヘマはしなかった。


柔らかい太腿の上に頭を預けて深呼吸をすれば、愛しいクレアのキンモクセイの香り。

胸いっぱいに吸い込めば、全身の力が抜けていき、壁外調査が終わって無事にクレアと再会できた事を改めて実感できる。


そしてフワフワとした心地の中で髪や頬に触れられれば、麻酔の注射針が刺さった事など気付かないうちに、何かに吸い込まれるように眠りの世界へと誘(いざな)われてしまったのだ。




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